文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
前回記事、「いざなぎ超えとは?いざなぎ景気って?」では、戦後最長の好景気、いざなぎ景気について解説をしましたが、私たちの生活実感は、戦後最長の好景気というほどではないという声も多く聞かれます。なのにこの騒ぎは、いったいどういうことなのでしょう?<INDEX>
「いざなぎ超え」は、単に「長さ」だけの話だった!(1P目)
まだまだある、実感が湧かない理由(2P目)
実感が湧かないのに、この景気が長続きするワケ(3P目)
「いざなぎ超え」は、単に「長さ」だけの話だった!
ちっとも景気が良いなんて感じられない!どこの誰がオイシイ思いをしているんだ?! |
さて、この周期の期間が「いざなぎ超え」となっているわけですが、長さではなくどれだけの大きさなのか、景気の規模を経済成長率で見てみることにしましょう。
いざなぎ景気当時の期間における経済成長率を平均すると、なんと11.3%にも上ります。一方で、今回の好景気は、平均2%そこそこの成長です。ちなみに、記憶に新しいバブル期の経済成長率は、平均で5.1%ですから、あのバブル期でさえいざなぎ景気の半分ですし、さらに現在はその半分以下の成長率ということです。
こんなに勢いがないのでは、実感が湧かないというのも当然ですね。しかし、それだけではありません。実感が湧かない理由を挙げると、次々と出てきます。
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