プライマリーバランスとは?
過去の借金の返済が重くのしかかる国の予算。今後はどうなる? |
この両方が寄り添う形で、新しく今年借りるローンが減って、返済する分を増やしていけば、ローン全体の残高は減っていくことになります。
このように、新しく今年借りるローンの額と、今年返済する過去の元本と利息が同じ額になる水準を、「プライマリーバランスが取れている」とか、「プライマリーバランスの均衡」といいます。
平成18年度は、
(返済の18兆円強)-(新しく借りる30兆円)=11兆円強のマイナス
返済する以上の新しいローンを重ねてしまっている状態です。
これを、2011年度つまり平成23年度には、プライマリーバランスが取れている状態、すなわち「せめて返すお金と借りるお金が同じにしようよ」というところまでもって行きたいのが、現在の財政政策です。さらに、2015年度つまり平成27年度には、借りるより返すお金が10兆円多くなるようにがんばろう、という目標を掲げています。
そうするためには、毎年の新規ローンが減るような努力が必要で、収入を増やし、支出を減らすという、ごく普通の家庭で行われている「やりくり」が不可欠なわけです。もちろん、ここでいう「収入」は税収入のことで、「支出」というのは社会保障や公共事業などに使う一般歳出のことです。
これを、「歳出・歳入一体改革」といい、平成18年半ばにはこの改革の中身が明らかにされます。今年使うお金は、今年の収入の範囲内でまかなえるように抑えようよ、ということです。
くどいようですが、国がローンを組むというのは、国債を発行するということ。借りる相手は、国債を買う投資家ということです。
ここまで、ローンという言葉を使ってきましたが、国が収入と支出の間で不足が生じる場合に、「国債」を発行して、金融機関や法人、個人の投資家から資金を借りるということなのです。つまり、あなたが今年買う国債は、今年から償還日まで、国にその資金を貸し付けることに他ならないのです。
国債を買う時に、「満期まで預ける」という感覚から、「満期まで国に貸す」「満期まで国の赤字の補てんに使う」という意識も併せて考えていく必要があるということなのです。
【関連サイト】
・「借金の申込み、○○円までなら貸す!?」
・「金利の上げ下げはどう決まる?」
・「増税論争を理解するためのポイント<1>」(All About「暮らしの税金」ガイドサイト)
【関連リンク】
・「国家財政・税金・公共投資」
・「日銀・金融再編・ペイオフ・金融不安」