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フック船長とは違う本物の海賊とは(2ページ目)

飛行機の旅が主流になっている現在では、海賊は一般人にはあまり関係のない存在になりました。しかし一部の海では、海賊がかなり暴れまわっているようです。

執筆者:鳥羽 賢

海賊退治に動き出す主要国

海賊に襲われる船
アメリカ海軍が撮影した、海賊に襲われる中国の漁船。出典:米海軍
この状況を主要国が黙ってみているはずはなく、各国が対策に動き出しています。12月26日までに、少なくとも15の国が海賊退治のためにソマリア沖に艦船を派遣しました。

実際にやっている活動としては、アメリカは艦船や航空機でソマリア沖をパトロールし、海賊に襲われた商船を保護したり、海賊を捕らえたりしています。ロシアも同様に艦船を派遣し、同海域をパトロール。またEU各国も同様の行動を取っています。

アジアからも、インド、マレーシア、中国など主要国が艦船を派遣して海賊を取り締まる体制を整えています。中国は海軍の駆逐艦「武漢」「海口」と補給艦「微山湖」という3隻の船が、26日にソマリア沖に向けて出港しました。

1歩対応が遅い日本、今後は?

一方日本の対応はどうなっているでしょうか? 日本は他の先進国より1歩遅れていて、現時点では艦船の派遣などを行っていません。その理由として、このような海賊行為に対応できる法令が存在していないことがあります。海上自衛隊の艦船を派遣しようにも、根拠となる法律がありません。

しかしないからと言ってこのまま海賊を放っておくわけにもいかないので、麻生総理は12月26日に浜田防衛相に対して、海賊行為取締りの行動を起こすように指示しました。

総理の意向としては、海賊行為取締りを目的とした艦船派遣の根拠となる、新法案を国会に提出する予定となっています。しかし現在のような参議院で野党が多数を占めているねじれ国会では、提出しても成立は簡単ではありません。

そこで現行の法律を根拠とした艦船の派遣も検討する方針ですが、それがどの程度まで機能するかは未知数です。ですがソマリア沖で海賊が横行して日本の船も襲われている状況では、できる限り早い日本政府の対策を望むものです。

参考サイト

時事ドットコム(2008/12/26)
読売新聞(2008/12/26)


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