国籍法を改正して、結婚していない日本人男性と外国人女性との間に生まれた子供にも、父親が認知すれば日本国籍を与える法案が、5日に参議院を通過して成立しました。この法案については、賛否両方の側から多くの意見が出ていました。

【CONTENTS】
きっかけは6月の最高裁判決(1P目)
「偽装認知」はどこまで横行するのか?(1P目)
ドイツでは似たような制度が失敗(2P目)
DNA鑑定が義務づけられないのはなぜか?(2P目)

きっかけは6月の最高裁判決

改正国籍法に影響される子供
今回の改正国籍法で大きく変わるケース。これまでは上のような、日本人男性と外国人女性に生まれた子供は、未婚でかつ出生前の認知がなければ、日本国籍は与えられなかった。今後は出生後の認知だけでも、日本国籍が申請できる。
今回改正案が提出されたのは、改正案が適用されるようなケースで訴えを起こした原告が、6月に最高裁で勝訴の判決を受けたことがきっかけでした。

訴えを起こしていたのは、未婚の日本人男性と外国人女性との間に生まれた子供ら10人でした。この10人の子供は父親が日本人で、生後に認知をしているにも関わらず、両親が結婚していないので日本国籍を与えられていませんでした。

その国籍法を「法の下の平等に反する」として訴えを起こし、最高裁まで行った末に6月に原告勝訴となったわけです。現行の国籍法が「違憲」とされてしまったので、法改正を迫られ今回の法案提出となりました。

これまでの国籍法では、日本人の父親と外国人の母親との間に生まれた子供が日本国籍を取得するためには、結婚か出生前の認知が必要でした。今回成立した改正法では、未婚で出生後に父親が認知したケースでも、日本国籍の取得が可能になりました。

「偽装認知」はどこまで横行するのか?

改正国籍法は、法案提出段階から「偽装認知」の危険性がかなり指摘されていました。偽装認知とは、実際には自分の子供ではない子に対して、日本人男性が認知をして、子供に日本国籍が与えられることです。

なぜそのようなことをするのか? それにはいくつかのケースが考えられます。1つには、途上国などから日本に出稼ぎにきている女性が、労働ビザが切れても日本に滞在できるようにするためにです。

実際には父親が日本人でなくても、別の日本人男性にお金を払うなどして自分の子供を認知してもらうことによって、日本国籍を与えることができます。すると子供は当然ながら日本の在留許可が得られます。

そうなると母親の方も、日本人の母親ということで在留特別許可を取って日本に住み続けられます。また労働ビザが切れるケースでなくても、単純に自国に住んでいる外国人が「日本に移住したい」と思い立って、この方法を使うケースもありえるでしょう。