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サハ共和国って、どこですか?

サハ共和国大統領が先月来日。新聞記事にはとりあげられていませんが、外務省は「戦略的意義を持つ重要国」と重視しています。サハ共和国って、いったいどこ? ちょっとみてみましょう。

執筆者:辻 雅之

(2004.06.18)

1ページ目 【サハ共和国って、どんな国?】
2ページ目 【ロシア連邦の構成要素と少数民族】
3ページ目 【日本にとってのサハ共和国の重要性】

【サハ共和国って、どんな国?】

こちらも要チェック! 政治についての基本知識と基本用語

サハ共和国大統領が来日していた


2004年5月21日付けの外務省プレスリリースからです。

ヴャチェスラフ・アナトリエヴィッチ・シュティロフ・ロシア連邦サハ共和国大統領は、23日(日)から29日(土)まで、外務省の招待により来日する。
(中略)
(参考)
サハ共和国は、わが国の8.5倍の面積を有し(ロシアの89連邦構成主体中最大)、ダイヤモンド、石油、天然ガス、石炭等の資源を豊富に埋蔵しており、わが国にとって大きな戦略的意義を有する地域である。


サハ共和国? いったいどんな国なんでしょう。聞いたこともない人がほとんどでしょうが、立派な大統領を持つ「共和国」です。しかもわが国にとって重要な国のようですね。「戦略的意義を有する」と外務省がいっているわけですから。

さっそく、サハ共和国について調べてみました。

サハ共和国とはどんな国か


サハ共和国とは、ロシア連邦を構成する89の構成体のうち、もっとも格上で高度な自治権が与えられた連邦内の共和国であり、その連邦内共和国としてはもっとも東(というか極東)にある国です。

もっというと、東シベリアのまんまん中。寒そうです。

とても広い国で、なんとインドと同じ面積! 時差が国内で2時間あります。しかし人口は100万人弱で、人口密度は0.3人/1平方kmです。

120の民族が居住していますが、だいたいロシア人45%、ヤクート人40%といったところです。ヤクート人はトルコ系の民族です。津々浦々、アジアにはトルコ系の民族がいるものです。

「サハ」とは、ヤクート人が自分たちのことをいうときの名前です。つまり、ヤクート人の国、ということですね。

凍てつく大地で、不毛地と思われそうですが、実に多くの民族が住んでいて、それぞれの伝統を守っています。古くから残る壁画もあり、ヤクート文化の奥深さを感じさせてくれるようです。

シベリアの奥地、という感じですが、実際には新潟からウラジオストックまで空路1時間半、そこからサハ共和国の首都ヤクーツクまで空路3時間と、うまくいけばハワイよりはやく着きます。1泊2日旅行も、可能かもしれません。

永久凍土の下に、マンモスが氷漬けになって眠っています。今、2005年の愛知万博にそれを出品すべく、プロジェクトが進行しているとのことです。

こんな少数民族の国が、ロシアにはたくさんあります。次ページでは、サハ共和国などロシア連邦の構成体について、解説していきましょう。

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