6月19日、イスラエルとパレスチナ過激派のハマスの停戦が電撃的に発表されました。この停戦はエジプトのムバラク大統領が仲介したと言われますが、停戦がどの程度続くかは、すでに懐疑的な目を向ける者も現れています。

【CONTENTS】
停戦・各勢力の狙い(イスラエル)(1P目)
停戦・各勢力の狙い(ハマス)(1P目)
停戦・各勢力の狙い(ファタハ・アッバス大統領)(1P目)
合意に達していない停戦の条件(2P目)
どこまで続く?この停戦合意(2P目)

停戦・各勢力の狙い(イスラエル)

パレスチナの地図
パレスチナの地図。白い部分がイスラエル。緑の右の部分はヨルダン川西岸、左の部分がガザだ。
今回の停戦には、イスラエル・ハマスそれぞれの狙いがあると見られています。まずイスラエルですが、昨年6月のハマスによるガザ占領以来続けていた「ガザ封鎖」が、思っていたよりも効果を発揮しない背景があります。

昨年6月に、ハマスはガザを攻撃して占領しました。以来パレスチナ勢力はガザのハマスとヨルダン川西岸のファタハに分裂していましたが、イスラエルはガザのハマスに対して封鎖措置を取っていました。これはガザへの物資の流入を防いで、いわば兵糧攻めにする目的がありました。

しかし実際には、ハマスは降伏せずにガザの一般市民が苦しんでいくばかりです。ガザの約130万人の市民は、イスラエルの封鎖によって食糧や医薬品などがガザに入ってこないため、大変な窮状にあります。

イスラエルとしては市民だけが苦しむこの状況を打開するために、停戦に合意して別の形でガザ奪還を狙っているものと思われます。

停戦・各勢力の狙い(ハマス)

一方でガザを占拠しているハマスには、ヨルダン川西岸で政権を奪回したい狙いがあります。現在パレスチナ自治政府の中心はヨルダン川西岸にあり、アッバス氏が大統領を務めています。

アッバス大統領の任期は今年末で切れ、次期大統領選が行われることになります。ハマスとしてはあくまで選挙で勝利して、自治政府大統領の座を奪い返したい意図があります。そのために、現在はひとまず停戦をして、パレスチナ有権者の支持を取り付けたい狙いなのです。

停戦・各勢力の狙い(ファタハ・アッバス大統領)

今回はイスラエルとハマスの停戦ですが、ファタハのアッバス大統領も当然交渉の席にはついていました。アッバス大統領の狙いは、ある意味ハマスとは真逆になります。

アッバス大統領は、イスラエルとの和平交渉が難航しているために、指導力を問われるようになってきていました。そこで今回の停戦合意を自分の「実績」として、有権者の支持を回復させたい狙いがあります。それはヨルダン川西岸地区だけではなく、ガザ地区の支持も含めています。