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ライブドアとフジ・ニッポン放送問題の行方

経済界を震わせ、ワイドショーを賑わせ、社会現象となったニッポン放送問題。結局は旧態依然とした結末とも言えますが、誰が儲けて、誰が損をしたのでしょうか?

執筆者:石原 敬子

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
世間、とりわけ今まで経済に無関心だった層にまでも、資本主義の本質を語らせた70日の戦いが、ひとまず決着となりました。
この問題に関しては、昼間に家のテレビを観ていた奥様方の方が、ビジネスマンの旦那様よりも詳しい、なんていう家庭もあったのではないでしょうか?
合意記事
お茶の間までもが関心を寄せた70日間の戦いの結末は?

<INDEX>
合意というより妥協?(1P目)
ライブドアの儲けと手にしたお金の今後(2P目)
ライブドアの株主は面白くない(2P目)
フジテレビの余分な出費、抱えたリスク(3P目)
フジテレビの株主は配当が増える(3P目)
ニッポン放送は冷や冷やしただけ?(3P目)
ニッポン放送の株主は上場廃止を覚悟(3P目)
外野の儲け(3P目)

ニッポン放送問題で、結局、誰が儲かったのでしょうか?
個人投資家である皆さんのなかにも、これらに関する株式を持っている方もいらっしゃるでしょう。
株主としては、どうなの?ということにも注目して、この問題を振り返ってみましょう。

2005年2月8日の「株式会社ライブドアはフジ……、間違えました、ニッポン放送の株式35%を取得いたしました」の号砲が鳴ってスタートした、ニッポン放送経営権争奪戦。4月18日の和解でひとまず落ち着きました。

合意というより妥協?

【合意の内容】
(1)フジテレビは、ライブドアが保有するニッポン放送株全株を1,034億円で買い取り、ニッポン放送を完全子会社化する
(2)フジテレビは、ライブドアの第三者割当増資440億円を引き受け、最終的にライブドア株式の12.75%を取得する
(3)フジテレビとライブドアは、ニッポン放送も含めた「業務提携推進委員会」を設置し、放送とブロードバンド(情報量の多いインターネット通信)の融合に向けた協議を開始する

【合意の具体的な措置】

・フジテレビが、ライブドアの子会社でニッポン放送株の32.4%を保有するライブドア・パートナーズを670億円で買収
→フジテレビがニッポン放送の経営権を丸ごと手に入れる

・5月下旬をめどに、ニッポン放送による自己株式の公開買い付けを行う
→ライブドアをはじめ、他の少数株主が持つニッポン放送株を取得

・9月1日までに、フジテレビは残りのニッポン放送全株式を取得
→ニッポン放送はフジテレビの完全子会社になる

・業務提携を協議する委員会は6ヶ月の期限付きで、最低週1回開催
→ライブドアのインターネット・ポータル(玄関)サイトをどう活用するかなどが中心議題になる予定

【合意によるお金の動き】

・ニッポン放送株の買い取り価格は、1株あたり6,300円
・ライブドアが持つニッポン放送株の推定平均取得価格は6,286円
・フジテレビが3月に行ったTOB価格は5,950円

・すべてのニッポン放送株を買い取るために、フジテレビはライブドア側に1,034億円を支払う
・他の少数株主からの買い取るために、フジテレビは280億円を費やす

次のページでは、結局、誰が儲かって、誰が損したのか?についてお伝えします。
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