中国では毎年春になると黄砂(こうさ)という自然現象が発生します。これは風に乗って遠くの韓国や日本にも運ばれてくるものですが、近年は状況が悪化しつつあると言われています。その裏には、急速に進む中国の経済発展と、同時に進行する砂漠化がありました。

【CONTENTS】
黄砂の正体は鉱物粒子(1P目)
砂漠化によって拡大する黄砂の原因(2P目)

黄砂の正体は鉱物粒子

黄砂発生のメカニズム
黄砂は地表から鉱物粒子などが風によって遥か上空に巻き上げられて発生する。出展:環境省
黄砂とは、中国の内陸部にあるタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原などにある土壌や鉱物粒子が、風によって数千メートルの高度に巻き上げられ、偏西風によって海を越えて日本や韓国まで運ばれてきて降下したものです。

黄砂の濃度は発生ごとによって変わり、濃度の低いものから高いものまで様々です。濃度の低い黄砂なら、飛来しても多少視界が悪くなる程度の影響しかありません。

しかし濃度がやや高いものでは、降ってきた黄砂によって車や洗濯物が汚される被害が発生します。さらに濃度が高くなると、人体にも悪影響が出てきます。黄砂によって呼吸器系統がやられ、咳や鼻水といった症状が出る人々が現れます。またアレルギーを持つ人たちは花粉症のような症状も見られることがあります。

大陸から運ばれるくるために、日本では西日本や日本海側で被害が多く発生します。黄砂の従来の年間観測日数は20日程度でしたが、2000~02年に3年連続で50日前後を記録しました。この事実からも、近年は黄砂の量が増えている様子が見えてきます。

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