(2003.11.11)
1ページ【二大政党制って何?】
2ページ【なぜ二大政党制になったのか】
3ページ【二大政党と小選挙区の長所と短所】
【二大政党制って何?】
イギリスで始まった二大政党制
A:今度の衆議院選挙で「日本は二大政党制になった」といわれますが、そもそも二大政党制って何なんですか。わかったようでわからないんですけど。
Q:二大政党制というのは、二つの大きな政党が議席の大半を占め、その2つの政党が交互に政権を担当するしくみのことをいいます。
これがはじまったのがイギリスです。イギリスでは17世紀末から18世紀初めにかけて、いちはやく国民の代表である議会主導の政治が始まったんですけど、それにつれて政党の元祖的な存在、トーリー党(現在の保守党、今でも新聞などではそう呼ばれることも多い)とホイッグ党という2大政党が誕生し、交互に政権を担当するようになりました。
20世紀になって、ホイッグ党(自由党)が没落し労働党がそれに代わるようになってからも、労働党と保守党の間の政権交代は、周期的というには間隔の長短がはげしいものの、続いています。
A:他に二大政党制の国と言えば?
いちばん典型的なのはアメリカで、国会議員に二大政党、つまり共和党と民主党以外の議員は1人しかいません。
フランスやドイツも事実上の二大政党制といっていいでしょう。フランスは下院(国民議会)に10いくつの政党がありますが、実際には大統領多数派連合と社会党で議席の86%を占めています。
ドイツは社会民主党とCDU/CSUという二大政党で下院議席の83%を占めています。政権党である与党、社会民主党は緑の党という政党と連立を組んでいて、そこが日本の自民党と公明党の関係に似ていますね。
ちなみに今回の衆議院選挙で、自民党と民主党の議席占有率は86%です。
また、純粋な二大政党ではなくても、小政党どうしがグループを組み、「二大政党グループ」を作っている国もあります。イタリアなんかがそうです。イタリアは中道右派、つまりまんなかから右よりの政党が「自由の家」連合を、左よりの政党が「オリーブの木」連合を作っています。この二大連合の議席占有率は97%です。