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世界的にも深刻! 世界のうつ事情(2ページ目)

うつ病は日本だけではなく、世界的に深刻な問題となっている病気です。WHOのうつ病に関する調査結果を見ると、うつ病が私たちの思っている以上に世界に広く存在していることがわかります。

執筆者:鳥羽 賢

障害調整生命年(DALY)の主要因となるうつ病

書籍『マインドフルネス認知療法―うつを予防する新しいアプローチ』
新しいうつ病予防法について述べた書籍『マインドフルネス認知療法―うつを予防する新しいアプローチ』
病気や事故などの世界の人々への影響の大きさを計るために、障害調整生命年(DALY)という指標が1993年に発表されました。これは必ずしもうつ病のためだけではなく、あらゆる病気・事故による健康損失の影響を調べるために使われている指標です。

障害調整生命年とは「年」を使って表される指標で、以下のような式で計算されます。

障害調整生命年=早期死亡による余命損失(YLL)+障害による余命の損失(YLD)

では、等式の右側にある2つの概念について簡単に解説します。まず「早期死亡による余命の損失(YLL)」ですが、これは事故や病気などで人が死亡した場合、それによって失われた年数を表すものです。

たとえば、ある国の30歳時点での平均余命が50年であり、ある男性が30歳で事故で死亡した場合は、そこで50年分のYLLが加算されます。それを国民全体で集計することによって、その国のYLLが算出されます。

そしてもう片方の「障害による余命の損失(YLD)」は、各種障害や寝たきりなどによって、失われた余命の年数を表したものです。YLDの場合は障害の度合いによって、失われた年数の計算が変わります。

たとえば、ある軽い障害なら1年の人生が健常者の0.8年分に相当すると見なされ、YLDは1年あたり0.2年として計算されます。そしてもっと重い障害だと、健常者の0.3年分にしか相当しないと思われ、YLDは1年あたり0.7年になります。

WHOの調査では、2000年の時点でうつ病は世界全体の障害調整生命年の4番目に大きな要因であり、また2020年までには第2の要因になると予測されています。一方15~44歳の層では、すでに第2の要因になっているという結果が出ています。

→次ページ。アメリカでは、子供にもうつ病が広まっていると言われています。
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