社会ニュース/よくわかる政治

幹事長と副総裁どっちが偉い?(2ページ目)

今週から始まったいまさら聞けない政治のコト講座。第1回は自民党の幹事長と副総裁、その役割の違いについてのゼミナールです。

執筆者:辻 雅之

1ページ目 【幹事長と副総裁の仕事の違いは?】
2ページ目 【幹事長ポストの「重み」って?】
3ページ目 【「安倍幹事長」誕生本当の思惑とは?】

【幹事長ポストの「重み」って?】
首相経験者がずらり、歴代自民党幹事長


こちらも要チェック! 政治についての基本知識と基本用語

Q:安倍新幹事長は今までの自民党では考えられない大抜てきということですが、それはどういうことなのですか。

A:歴代の幹事長をみるとわかりますが、初代幹事長で後に首相となった岸信介(安倍幹事長のおじいさんですが)からはじまって、三木武夫、福田赳夫、田中角栄、大平正芳、竹下登、小渕恵三、森喜朗と後の首相経験者がずらっとならんでいます。

また、そうでなくても金丸信、小沢一郎、加藤紘一、野中広務のように派閥の領袖やボスたちが就任しています。さっきもいったように、党の財務から人事から政策調整から選挙の立候補者の選定まで一気に担うので、ふつうはこういう大物政治家じゃないとつとまらないといえるでしょう。


Q:でも、安倍さんはそういうタイプの政治家じゃないと・・・?

A:安倍幹事長はまだ当選3回で大臣経験もありません。やっと副大臣格の官房副長官をつとめただけです。当選6回で大臣、幹事長など党三役クラスは当選8回は必要といわれていますから。会社でいうと課長からいきなり社長になるようなもの。まさに大抜てきといえるでしょう。

ちなみに幹事長の補佐をする幹事長代理が久間章生氏、当選7回で幹事長より14歳も年上です。


Q:そんな人を幹事長にした小泉首相の狙いは?

A:いろいろあるでしょうが、一つには党人事の若返りを思いきってすすめてしまいたいということ、もう一つは反小泉陣営の抑え込みでしょう。幹事長ともなれば次の総裁とも目せられてくる、そういうことになれば反小泉陣営も安倍氏と同じくらいの年代の政治家を担ぎださないと釣り合いがとれません。しかし、安倍氏と同年代で総裁候補を目指せるような政治家は他に育っていません。

そして、選挙対策じゃ。衆議院総選挙が11月に行われる情勢なのはご存じのところでしょうか。ここで自民党は菅直人・小沢一郎という二枚看板で襲いかかってくる民主党を撃退しなければなりません。いかに国民的人気の高い小泉といえども、この2人の前で戦うには、もう一看板ほしいというところだったのでしょう。

安倍さんは拉致問題でずいぶんマスコミに露出してましたからね。その安倍さんが選挙の時にもがんがんテレビにでるとなると・・・山崎さんよりはフレッシュで、国民に好感がもたれるかもしれませんね。山崎さんには失礼だけど(笑)

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