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【中世の歴史を残す小国アンドラ】
フランス大統領と一司教が共同元首
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フランスとスペインの国境、ピレネー山脈の中に位置する人口約3万あまりの小国がアンドラです。元首はフランス大統領とスペインのウルヘル司教が共同で務めています。
むかし、アンドラはウルヘル司教がもっていた領地、日本風にいえば荘園だったのですね。そして当地の代官にあたる役目を果たしていたのがフォア家だったのですが、このフォア家が司教を無視した統治を行うようになったため紛争がおき、アラゴン王国という国の仲介のもと、司教とフォア家が共同でこの地を治めることになったのです。1278年のことでした。
その後、フォア家の権利はフランスに移りましたが、司教の権利はそのまま今日まで維持されてきました。今でも租税の一部が偶数年に司教に、奇数年にフランスに納められています。
このようなアンドラは20世紀になっても「荘園」あつかいで独立国として認められてきませんでした。しかし1993年になってようやく憲法が国会にあたる総評議会で制定され、フランスとスペインもアンドラが一つの独立国であることを承認し、国連にも加盟する立派な独立国となりました。
正式名称は「アンドラ公国」となっているものの、実態は住民による共和制です。28議席からなる総評議会が立法権を担い、行政は総評議会が選出した評議委員会(内閣)が行います。政党は4つあり、アンドラ自由党が第一党となり内閣を組織しています。
国民はアンドラ人が36%ほどで、スペイン系の住民が40%、フランス系住民が7%ほどとなっています。公用語はスペイン語の一種カタロニア語となっていますが、スペイン語、フランス語も話されています。
ヨーロッパにはこの他にもまだまだ由緒ある小国があります。パート2では、リヒテンシュタイン、マルタ、ルクセンブルグをご紹介しましょう。