(2003.09.30)
1ページ目 【世界第二の小国モナコ】
2ページ目 【「世界最古」の共和国サンマリノ】
3ページ目 【中世の歴史を残す小国アンドラ】
【世界第二の小国モナコ】
王位継承者がいなくなるとフランスに併合されてしまう
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ヨーロッパには面積が1000平方キロ未満の小国がいくつもあります。世界でもっとも小さな国として知られるバチカン市国は1平方キロもありません。こうした国は、いったいどのようにして生まれ、今日にいたっているのでしょうか。2回にわけて、これらの国の歴史と今の政治の状況をお話しましょう。
世界第2の小国、モナコは古代に開かれた港町です。13世紀から、イタリア、ジェノヴァのグリマルディ家がこの地を治めはじめ、現在にいたっています。15世紀にはいまよりも広い範囲にわたって領土を持っていたのですが、フランスに領土を併合され、今の領土で確定したのは1861年です。このときからモナコはフランスの保護国となりました。
1919年のフランスとの協定で、男子の王位継承者がいない場合フランスに併合されることになっています。王位継承者問題はモナコにとってはまさに死活問題なのですね。ちなみに今はちゃんと皇太子がいます。
モナコは3万人の人口を擁していますが、このうち「モナコ人」は18%ほどしかいません。あとはフランス人、イタリア人など外国人で占められており、公用語もフランス語です。
元首であるモナコ大公(現在はレーニエ3世)が首相にあたる国務大臣を任命しますが、フランス政府の推薦が必要です。国務大臣のもと、3人の顧問(内務・財政経済・公共社会問題)がいて、彼らで内閣を組織します。
1911年に現在の憲法が制定され、比例代表制による定員18名の議会も有しています。現在は国家民主党という政党がすべての議席を独占しています。
モナコには軍隊はありません。モナコの安全はフランスが保障しています。観光業が主要な産業で、モンテカルロのカジノは世界的に有名ですね。所得税もなく、法人税も極端に低くなっているので、高所得の外国人や外国企業が税金逃れに集まる「タックス・ヘイブン」となっています。