政府税調は、国の「公式機関」
税制論議の実質的な「主役」は、政府税調ではなく自民党税調。1政党の内部機関が、日本の税制を操る! |
来年の税制改正に向けた11月2日の会合では、「社会保障の安定財源として、消費税アップが必要!」という認識でほぼ一致。今後は、具体的な税率や引き上げ時期、軽減税率(食料品などの生活必需品には低い税率を適用)、目的税化(税金の使い道を年金などに限定)などが焦点となります。11月5日以降本格化する議論に、要注目……。
自民党税調は、自民党内の「非公式機関」
一方、自民党税調は、同党内に設けられた1機関。毎年、上記の政府税調の答申や、党内の各部会(※)などの改正要望を踏まえ、党内の意見をとりまとめます。その後、与党税制調査会(連立与党である自民・公明両党の税調)での意見調整を経て、12月中旬に与党税制改正大綱を決定。ここでは、「住宅購入の際かかる登録免許税の減税を2年間延長」など、税目ごとの改正事項が具体的に示され、これが政府の税制改正法案として、翌年の通常国会に提出されます。※ 内閣・国防など中央省庁(1府12省庁)に対応して13部会があり、政府提出法案の事前審査などを行う。
つまり、「政府税調の答申を踏まえて」とはいうものの、税制論議の実質的な「主役」は、内閣総理大臣の諮問機関である政府税調ではなく、政党の内部機関に過ぎない自民党税調。政府の「公式機関」より、政党の「非公式機関」の方が格上?
そして10月25日、自民党税調は、「財政再建」を声高に叫ぶ面々をとり揃え、来年度の改正に向けスタート。今後、「永田町」「霞ヶ関」界隈では、消費税引き上げという名の「北風」がますます強まりそうな気配ですが、現時点での増税は、果たして妥当と言える? 本当に、増税以外に手はないの? → 次のページへ