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従来型の退職金・企業年金制度とは?(2ページ目)

従来型の退職金・企業年金制度を解散する企業が増えています。その理由と今後の動きを含めた、制度の概要を説明します。

執筆者:石原 敬子

今までの制度で一番メジャー~厚生年金基金

社員の老後の生活保障のために、公的な年金制度である厚生年金にプラスして支給する企業年金制度としてスタート。
しかし、予定の運用利益を得られずに、約束通り年金を支払えない基金や、掛け金の値上げをする基金がたくさん出ています。理由は、株価低迷の影響で年金資産の運用状況が悪くなっているからです。
給付を減らしたり、「代行部分」(厚生年金保険の一部分を国に代わって行う分)を国に返す「返上」を行う基金が次々現れています。また、基金そのものを解散するケースも増えています。あなたの会社では、いかがですか?
 
・厚生年金基金の種類
厚生年金基金にもいろいろな種類があります。
一つの企業が単独で設立したり、系列企業グループが共同で設立したり、同業者や特定地域内の企業などのグループが集まって共同で基金を設立して運営するケースがあります。  
 
(1)いくら受け取れるの?

自分の受け取る金額は、退職時か年金がもらえる時期になってからでないと確定しません。また、加入している基金、加入期間、加入期間中の給与によって金額はまちまちです。
一般的には、一社単独の基金の給付は、年金額が高い傾向があります。
一方で、複数の会社が集まって作られている基金は、受け取る年金額は少ない傾向です。

(2)受け取るための手続きは?
  
<定年退職>
加入していた基金に連絡して、手続き方法を確認。基金の指示に従って「裁定請求書」などの書類を作り、年金を請求します。
その際、厚生年金基金の証書が必要です。

<中途退職>
退職する場合も、次の会社に転職する場合も、厚生年金基金の加入に関する手続きは会社がやってくれます。転職した場合も、前の会社に在職中に加入していた厚生年金基金の権利は守られます。
詳細は、基金の規約を確認して下さい。年金のを受け取るための要件は、加入している基金の規約によって異なります。
厚生年金基金連合会のサイトでも中途脱退者の要件が確認できます。

<年金受け取り時>

厚生年金を受け取れる時期になったら、厚生年金基金連合会へ連絡します。
「年金裁定書」に必要事項を記載して連合会へ提出して年金を受け取ります。

(3)転職したらどうなるの?

退職すると、基金の資金の中から、自分が基金に加入していた期間に相当する分のお金がいくらなのかが計算されます。その計算で出たお金が自分のもの(権利)です。
また、転職した先の会社で厚生年金基金に加入すれば、新しい基金での権利も出てきます。

次のページは、中小企業に多い、中小企業退職金共済制度と特定退職金制度について説明します。
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