【CONTENTS】
実は3つある?!FRBとつくもの(1P目)
金融政策の決定機関―FOMC(連邦公開市場委員会)(2P目)
世の中に流通するお金の量を調節―公開市場操作(2P目)
FRBにも株式がある―加盟銀行との関係(3P目)
これが本当に最も大切な業務?―ドル紙幣の発行(3P目)
実は3つある?!FRBとつくもの
FRB(連邦準備制度理事会)はFRB(連邦準備銀行)を統括し、それらの制度全体をFRB(連邦準備制度)と呼ぶ。 |
1つ目のFRBは、最初のお話した連邦準備銀行、英語の綴りはFederal Reserve Banksとなるものです。これは名前の通りアメリカの中央銀行で、日本銀行のように首都に本店がある形態ではありません。連邦準備銀行は12の支店から成り立っていて、それぞれの管轄地域には第1地区から第12地区まで番号が振られています。
2つ目のFRBは、連邦準備(制度)理事会、英語ではFederal Reserve Boardと呼ばれるものです。FRBの中でも一番よく目にするのは、このFRB(連邦準備制度理事会)ではないかと思われます。これは中央銀行としての連邦準備銀行の最高意思決定機関で、構成員は7名の理事となっています。
理事は上院の承認を得て大統領が任命することになっています。その中でも最も大きな権限を持つのが議長で、次に来るのが副議長です。ニュースでよく出てくる「FRB議長」というのはこちらの議長のことで、現在ではベン・バーナンキ氏が務めています。
3つ目のFRBは、連邦準備制度です。これは英語ではFederal Reserve Systemで、略すとFRSになります。それなのになぜFRBの3つ目?と疑問に思われる方もいるでしょう。
Federal Reserve Systemを普通に略語にすると確かにFRSで、それが正式な名称なのですが、慣習的にFRBという言葉が連邦準備制度を指すことも多いのです。連邦準備制度とは、1つ目の連邦準備銀行や2つ目の連邦準備制度理事会などを全てひっくるめた、アメリカの中央銀行制度全体を指しています。
その制度全体が、FRBという言葉によって表されることも少なくありません。結局のところ、3つのどれを取ってもアメリカの中央銀行を指すのですが、どれも微妙な違いがあるのです。
→次ページでは、FRBの最も大事な機能であるFOMCについてお話します。