2ページ目 【「ネオコン」効果はこんなところにも・・・】
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【「ネオコン」効果はこんなところにも・・・】
メディアも「公正不偏」から「ネオコン派」が人気?
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アメリカのメディア界でも、このイラク戦争で大きな異変が起こっています。
湾岸戦争でいち早くバグダッド空爆を報道し、衛星放送で「CNN効果」をつくり出したといわれたニュース専門テレビCNNの人気が落ち、代わりに星条旗を画面に掲げ、戦争の特ダネをどんどん提供する同じくニュース専門テレビFOXテレビが、CNNを抜く人気を得ているというのです。
このFOX現象、ニュース番組名を「イラクの自由」と題し、アメリカへの愛国心、イラク戦争の正当性を積極的に訴えているところが、その人気のポイントのようです。
このFOXテレビの主が、あの世界のメディア王マードック氏です。かれは、主義主張というよりも、そのときの政権にすりよる傾向が強いといわれていますが、それについてはともかく、このFOXテレビの「いけいけアメリカ!」的報道が、70%を超えるブッシュ政権の支持率を支えていることはいうまでもありません。
この結果、他局もブッシュ政権に批判的なキャスターではなく、むしろ迎合的な人を求めはじめた、というのだから大変なことです。「報道は不偏不党」というのはどこかの国の話なのでしょうか。
もちろん、人脈的にもマードック氏とネオコンのつながりもあるようです。ネオコンの牙城ともいわれるオピニオン週刊誌「ザ・ウイークリー・スタンダード」は、さっきのページででてきたシンクタンクPNACの主要メンバー、クリストル氏が編集長をつとめています。この雑誌も、発行元はマードック氏の「ニューズ・コーポレーション」となっています。
FOXは一度ミスを侵しました。従軍記者が、生中継で部隊の位置を教えてしまったのです。これは軍にとっては痛手。たいへん怒られました。しかし、結局はその記者をFOXが自主的に外すのみでそれ以上のおとがめはなし。ブッシュ政権も、「チアリーダー」としてFOXの存在を重く見ているようです。
このようにひろがるアメリカの「新保守主義」。でも、アメリカの「保守」っていったいなんなんでしょうか・・・・?