(2003.04.26)
1ページ目 【イラク戦争の立役者? 「ネオコン」ってなに?】
2ページ目 【「ネオコン」効果はこんなところにも・・・】
3ページ目 【今のアメリカにとって「新しい保守」って?】
【イラク戦争の立役者? 「ネオコン」ってなに?】
イラク戦争を強硬に主張した「新保守主義」者たちの存在
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イラク戦争、完全にアメリカの勝利に終わりました。誰よりもこのことをイラクの「解放」とよび、「イラクに自由が訪れた」と喜んでいるのは、ブッシュ政権中枢に食い込む「ネオコン」とよばれる人たちでしょう。
「ネオコン」つまり「ネオ・コンサーバティヴ」のことで、「新保守主義」と略されます。その定義はまだ固まっていませんが(それは3ページ目で考えていきましょう)、とりあえずブッシュやラムズフェルド、チェイニーら政権中枢の「タカ派」に大きな影響を与え、イラク戦争を推進した人々のことを指すようです。
もともと保守的傾向の強いブッシュ政権ですが、「ネオコン」とよばれている人が台頭してくるのはやはり「9.11」同時多発テロの後です。
渾沌とする世界の中で、アメリカ防衛のためには、先制攻撃も辞さず・・・このようなブッシュ政権の姿勢を、ネオコンたちが後押しし、理論武装を手助けしている、というのです。
とはいえ、何をもってこの人物を「ネオコン」というか、というのは、まあだいたい「ネオコン」自体ひとつのレッテルですから、はっきりしません。
とりあえず、政権中枢ではウォルフォウィッツ国防副長官、ファイス国防次官らがネオコンの筆頭格、といわれているようです。
また、バール国防政策委員長がネオコンの象徴である、といういわれ方もします。バール氏は1960年代、ベトナム戦争を押し進めたジョンソン政権のスタッフだった人物ですが、ジョンソン政権は民主党です。
つまり、本来「リベラル」なはずの民主党グループからも、外交では「強硬路線」を主張する人々・・・こうした人々が、ネオコンとよばれる人々には多いといわれています。
また、保守系シンクタンク「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)」がネオコンの中心である、ともいわれています。
このネオコン現象、どうやら政権内部だけの話ではないようで・・・・