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イラク戦争、米軍勝っても泥沼?(3ページ目)

イラク戦争、とうとうヤマ場を迎えつつありますが、アメリカが勝っても、はたして中東に平和が戻るのか? 私はあまり期待が持てません。「試合で勝って勝負に負ける」アメリカ外交。

執筆者:辻 雅之

1ページ目 【イラクのゲリラ戦はベトナムほどではない】
2ページ目 【ベトナム戦争の泥沼化の果てから学べるか】
3ページ目 【中東全域に広がる反米気運がアメリカを苦しめる?】

【中東全域に広がる反米気運がアメリカを苦しめる?】
親米派が一掃され、イスラム原理主義が広まれば、イラクに勝っても「泥沼」


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先にも書いたとおり、イラクの軍事力、精鋭とよばれた軍隊の威力を、私はあまり信じません。ゲリラ活動にはカリスマ的な指導者、思想が必要。数々の弾圧を行い国民を苦しめたフセイン大統領のもとで活発なゲリラ活動ができるかどうか、疑問です。

そして、アメリカは勝つでしょう。しかし、一部が隣国シリアや、ヨルダン、そして最近テロの根拠地といわれているイエメンに逃げ込むかもしれません。こうした連中との「ゲリラ戦」は散発的にあるでしょう。イランとの衝突もあるかもしれません。

 

・・・・なんて、こんなことをやっていたら、ますますベトナム戦争の二の舞い。今まで親米的だった国も、反米にまわるかもしれません。特に、王制・君主制をしいている国たちは、高まる国民の声におされて翻ってしまうかもしれませんし、倒されてしまうかもしれません。

 

そうなったらもうパレスチナ問題なんかぜんぜん手がつけられない。中東の泥沼化が一気に進んでしまうかもしれないのです。

そうならないためにも、フセイン政権崩壊後には、アラブ諸国とアメリカが綿密に連絡をとり、彼らの権益保護に努めなければならないでしょう。「アラブ・アメリカ首脳会議」などを開催する必要があるのではないでしょうか。

もっとも、ブッシュ大統領はテロ撲滅にむけて「次の相手探し」で精一杯かもしれません。次の標的が北朝鮮になるのでしょうか?
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