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イラク戦争、米軍勝っても泥沼?(2ページ目)

イラク戦争、とうとうヤマ場を迎えつつありますが、アメリカが勝っても、はたして中東に平和が戻るのか? 私はあまり期待が持てません。「試合で勝って勝負に負ける」アメリカ外交。

執筆者:辻 雅之

1ページ目 【イラクのゲリラ戦はベトナムほどではない】
2ページ目 【ベトナム戦争の泥沼化の果てから学べるか】
3ページ目 【中東全域に広がる反米気運がアメリカを苦しめる?】

【ベトナム戦争の泥沼化の果てから学べるか】
ミイラとりがミイラになったベトナム戦争


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アメリカにとって屈辱的な「敗戦」をしたベトナム戦争。アメリカの枯葉作戦による空爆、ゲリラ戦で若い命をおとした兵隊たち・・・まさに「泥沼」でした。

しかし、もう1つアメリカは外交戦略的にベトナムらインドシナを「泥沼化」してきました。

まずはこの地図。インドシナ3国の中で、共産化されているのは北ベトナムだけ。
しかし、ラオスとベトナム国境付近には共産勢力があり、ひそかに北ベトナムを味方していました。

また、中立政策をうちだしていたカンボジアも、ベトナムゲリラにとっては補給ルートの確保に都合のいい国だったようです。そこで、アメリカは70年代に入ってラオスとカンボジアにその銃口を向けます。



しかし、敗戦後、アメリカのやってきたことが逆効果になったのか、ラオスもカンボジアも共産勢力に落ちました。しかもカンボジアでは、大虐殺で悪名高いポルポトによる政権が誕生してしまいました。



結局、共産勢力を打ち砕くために行なったベトナム戦争は、結果として多くの共産圏をつくってしまったわけです。戦争だけでなく、外交も破たんしてしまいました。

おなじようなことが、今度のイラク戦争でも起きるかもしれません。
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