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原爆投下は「しょうがなくない」です

麗澤大学で講演をした久間(きゅうま)防衛相が、広島・長崎に原爆がアメリカによって投下された事実を「しょうがなかった」と表現しました。その発言にメスを入れてみます。

執筆者:鳥羽 賢

6月30日、千葉の麗澤大学で講演をした久間(きゅうま)防衛相が、1945年に広島・長崎に原爆がアメリカによって投下された事実を「しょうがなかった」と表現しました。どうも久間大臣は根本的に勘違いをしているようなので、この場でその発言にメスを入れてみます。

【CONTENTS】
久間大臣の発言詳細(1P目)
すでに決まっていたソ連の参戦(2P目)
原爆投下の最大の理由は、降伏を受け入れなかったから(2P目)
朝鮮戦争では大統領は原爆使用に反対(3P目)
辞任するのも「しょうがない」かもしれない(3P目)

久間大臣の発言詳細

日本地図
原子爆弾は1945年8月6日に広島に、9日には長崎に投下された。

詳しい発言内容は以下になっています。

「米国は日本が負けると分かっているのに、ソ連に参戦してほしくない。ところがなかなか日本はしぶとい。しぶといとソ連は参戦する可能性がある。国際世論もソ連参戦を賛成しかねない。ソ連が参戦して、ドイツを(東西)ベルリンで分けたみたいになりかねない。」

「だから(米国は)日本が負けると分かっているのに、あえて原爆を広島と長崎に落とした。これなら必ず日本も降参し、ソ連の参戦を食い止めることができるという考えだったが、(長崎に原爆が投下された1945年)8月9日に、ソ連が満州その他の侵略を始めた。」

「幸い8月15日で終戦となり(日本は)占領されずに済んだが、間違えば北海道まではソ連に取られてしまう。その意味で、原爆を落とされて長崎は無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったのだ、という頭の整理で今、しょうがないなと思っているところだ。」

「米国を恨む気はないが、勝ち戦と分かっている時に原爆を使う必要があったのかどうか、という思いは今でもしているが、国際情勢や戦後の(日本の)占領を考えると、そういうこと(原爆投下)も選択肢としては、戦争になった場合はあり得るのかなと(思う)。」
(毎日新聞)

この発言に対して、広島・長崎の市長、原水爆禁止日本協議会などはただちに抗議の意を表明し、また野党は久間防衛相の辞任を要求すると発表しています。この発言は、2000年に当時の森善朗総理がした神の国発言にも匹敵するほどの、問題発言に発展していきそうですね。

→それでは次ページで、久間大臣の発言を正します。
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