エイズウイルスの感染経路は大半が性行為。感染に気づきかないまま、パートナーにうつしてしまう危険も! |
【CONTENTS】
■1ページ…… 危険度が高い感染経路は? かつての「薬害エイズ」の教訓は活かされていない?!
■2ページ…… 予防や検査の方法は? 意外?!感染が増えている年代は……
感染の危険度が高いのは、男性同士の性的接触!
厚生労働省の「エイズ動向委員会報告」によれば、昨年1年間で新たにエイズウイルス(HIV、ヒト免疫不全ウイルス)に感染した人とエイズを発症した患者は、合計1,358人(感染者952人、患者406人)。過去最高を記録する中で、どちらも日本国籍の男性が8割以上を占め、しかも、増加傾向が続いています。また、感染経路は9割方が性的接触で、このうち同性間の接触が約63%。やはり、異性間の接触より同性間の接触の方が危険度は高い! おまけに、感染者・患者共にほとんどのケースが国内感染と推定されるというから、日本のエイズ事情はかなり深刻!「薬害エイズ」の苦い教訓は、活かされずじまい?!
ところで、エイズウイルスと言えば思い出すのが薬害エイズ事件。1980年代前半、血友病(※1)の治療に使われていた輸入品の非加熱血液製剤(血液の中から止血作用がある成分を抽出してつくった薬)にエイズウイルスが混入していたため、患者が感染。当初から危険性を指摘する声があったにもかかわらず投与が続けられた結果、感染者約1,800人、死亡者500人超の惨事に発展! しかも、ほとんどの患者はC型肝炎ウイルス(※2)にも重複感染! 当時の医(元帝京大学副学長)・業(旧ミドリ十字)・官(旧厚生省)による「複合的過失」が原因として世の批判を浴びる中、官の「不作為(積極的な対応をとらない)」がクローズアップされました。※ 1.血友病は、血液の凝固因子の不足により出血が止まりにくくなる病気。
2.C型肝炎は、血液を介したウイルス感染により肝臓が炎症を起こす病気。
そう言えば、最近もインフルエンザ治療薬「タミフル」を巡り似たような問題がありましたね。異常行動の続発を受けて10代患者に対する投与を原則中止とした厚生労働省に、「対応が遅い!」と非難が集中……。薬害エイズの教訓は、いまだに活かされていない?
さて、気になる本題です。エイズとはどんな病気? 感染者や患者が増えているのは、どの世代? 予防や治療の方法、そしてこっそり検査するにはどうすればいい? → 次のページへ