(2002.10.1)
1ページ目 【そもそも「民主主義」ってなんなんだろう】
2ページ目 【選挙制度だけでもこれだけ違う】
3ページ目 【権力集中制も民主主義?】
【そもそも「民主主義」ってなんなんだろう】
「民主主義」って1つしかないのか、まずそれを疑ってみよう
ある方からメールいただきました。
『世界で民主主義というのはどのくらい機能しているのか?今どのような状態なのか? ということについて教えてください。yahooでキーワード検索して調べてみましたが、ピンとくるようなことが書かれているものがイマイチなかったのでガイドさんにお願いしてみようと思います。よろしくお願いします。』
う~む。民主主義の機能具合ですか。むずかしいご質問です。
とりあえずいろいろ考えた挙げ句の、私の回答はこうでした。
『メール拝見しました。
いや~むずかしい質問です。「民主主義」という言葉の意味だけでも意見が分かれますからね。
多数の声を聞くのが民主主義なのか、いや少数意見をどこまで取り入れなければ
ならないのか。49%対51%なら51%の意見のみを取り入れることが正しいのか。
こういうことがあるので、国によっても「民主主義」の定義は違うのです。たとえば、選挙で比例代表制をとっている国は「少数意見も重視」派ですし、アメリカのような小選挙区制オンリーの国は「多数意見が正しい」派です。
ですから、表面的な部分だけを見て「あの国は民主的だ」「民主的でない」という議論をすると、本質的なところが見えてこないでしょう。
むずかしいですが、大変本質的な問題です。
こういう理論的なことは記事としてはどうかな~と思って控えていましたが、そのうち記事にしてみます。
ありがとうございました。』
いやそうなんですよね。
民主主義が世界でどのくらい機能しているかっていっても、その民主主義に対する考え方自体が人によって違ったりもする。そもそも民主主義がいきすぎるとよくない、って人もいるわけですし、民主主義が今進んでいるのか、ということを考える前に、まず民主主義っていったいなんなのか、民主主義ってほんとうにいいものなのか、ということを考えるほうが先なのではないでしょうか。
というわけで、生っ粋民主主義者を自認する辻めがお送りする「民主主義を甘やかすな、うまく叱って育てよう!」シリーズ、スタートです。