■ありがちな話
A社の新製品が大ブームを沸き起こすほど売れていたとします。あなたは、「これはいいぞ!」とA社株を1株100万円で買いました。もちろん、上がると思ってのことです。ところが、あっという間にブームは去り、A社の製品はさっぱり売れなくなりました。そしてあなたのA社株は、売るに売れない状態・・・。(正確にいうと、売りたければ、いくらでもよければ売れるんですよ!)70万円になってしまったとします。
■さあ、どうする?
ここで、「売るに売れない状態」に自分の姿を重ねているあなた!大事なのは、「はじめのA社の100万円の価値」ですか?それとも、「できるだけ早く戻したい100万円の価値」ですか?
■大事なのはこれから100万円に戻す道
ここであなたが、A社に対して特別な関係があるとか、A社株を持つ特別な理由がない限り、A社の株価100万円にこだわるのはナンセンスです。だって、あなたが評価したA社は、新製品が売れて売れて大ブームだったA社なのですから。今となっては、「売れ残り在庫を抱えたA社」になってしまっているわけです。こだわって欲しいのは、A社ではなくて、新製品が売れている会社です。
■株価が下がったのは評価が下がったから
100万円で買った株が現在70万円ということは、その在庫を抱えた会社を市場が評価した株価なのです。A社の状況が回復しない限り、その評価は回復しません。A社から、100万円の価値まで評価してもらえそうな会社に目を向けて、視点を変えていかなければいけません。
このA社にこだわることを経済学では、「心の会計簿」と呼びます。A社の70万円であっても、他の会社の株の70万円の価値であっても、経済的な価値は一緒です。
さあ、いつまでも心の会計簿にA社と記帳していないで、株価100万円をめざせる会社を発掘していきましょう!。★経済学と心理学のビミョーな関係シリーズ★(2)投資は憎らしい知人と共に!
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