日本における人工雨研究の今

雨
雨の多い日本では、これまで人工雨を実用化する必要性はあまりなかった。
では日本における人工雨の研究は、どの程度進んでいるのでしょうか?日本やタイや中国のように、煙害や干ばつのために実際に人工雨を降らせる切羽詰った事情はありません。ですので、まだ一般にはあまり知られていないのが現状です。

しかし日本でも人工雨の研究は確実に進んでいます。現在でも何ヶ所かの研究機関で、人工雨の研究が実際に進められています。例えば九州大学では、液体炭酸を使って人工雨を降らせる研究が進められています。

この方法は飛行機から液体炭酸を雲に向かって散布するのですが、雲の厚さが1キロメートル程度という薄い雲からでも、雨を降らせることに成功しています。それまでの人工雨では、雲の厚さが2~3キロメートルないと降らせることができませんでした。

またつくば市にある気象庁の気象研究所でも、ドライアイスを使った人工雨の研究が、2007年から5ヵ年計画で進められようとしています。これらの研究は一定の成果をあげられれば、将来は実際に雨を降らせ水不足を解消するようになっていくでしょう。

まだまだ限定されている効果範囲

さて、最初の話で出た疑問、「16日にタイで実行した人工雨のための化学物質散布は、果たして成功したのか?」の答えですが、少なくとも17~19日のタイの天気を見る限り、成功したとは言えないようです。

タイで煙害が起こっているのは主に北部であり、北部の主要都市であるチェンマイの天気を見ると、17~19日に雨は降っていません。タイ当局は「2~3日中に雨が降るだろう」と発表していたので、その言葉通りにはならなかったことになります。ただ、20日は雨が降るという天気予報が出ています。

このように、まだ人工雨といってもあまり効果の高いものではないのです。また、雨を降らせることができるのは、あくまで雲がすでに存在している場合だけで、雲1つない場所には降らせることはできません。つまり、砂漠のど真ん中に雨を降らせて、水を供給するということは不可能です。

人工雨もあくまで限定された条件で、限定された範囲に降らせることができるだけです。しかしそれでも、人類が気象をコントロールするというのは凄いことであり、未来の生活が大きく変わる可能性を秘めているでしょう。


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