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国防・軍事の基礎用語集(2)(4ページ目)

議論の多いわりには意外と知らないことが多い国防・軍事の基礎用語。今回は日本の防衛政策についての用語について解説してみます。「非核三原則」、「背広組と制服組」など。

執筆者:辻 雅之

1ページ目 【軍部の独走がまねいた戦前、その反省は活かされているか?】
2ページ目 【日本の防衛に「核」は必要か?(1)】
3ページ目 【日本の防衛に「核」は必要か?(2)】
4ページ目 【自衛隊と「有事」】

【自衛隊と「有事」】
[自衛隊の海外派遣(じえいたいの・かいがいはけん)]
[制服組(せいふく・ぐみ)][背広組(せびろ・ぐみ)]
[無駄遣い(むだ・づかい)][有事立法(ゆうじ・りっぽう)]


[自衛隊の海外派遣(じえいたいの・かいがいはけん)]

くわしくはこちらのガイド記事「自衛隊海外派遣の基礎知識」をごらんください。

[制服組(せいふく・ぐみ)][背広組(せびろ・ぐみ)]

制服組とは自衛隊の幹部のことで、背広組とは防衛庁の事務方の幹部のこと。文民統制の原則上、いままでは「背広組」が「制服組」を統制する、という図式でした。

ただ、海外派遣とか不審船への対応など、自衛隊が直接行動することが多くなって、「制服組」の発言力が強まっているといわれています。

防衛庁・自衛隊のくわしい組織図については、こちらをごらんください。

[無駄遣い(むだ・づかい)]

自衛隊にもあります無駄遣い。1998年には自衛隊の装備品などの納入を企業に水増しさせていた背任行為も発覚(関係者は逮捕・処分済み)。賄賂をもらって企業に有利な取り計らいを行おうとした事件もあり(関係者は逮捕済み)、税金が専守防衛に「本当に有効に使われているか」、国民はもっとチェックすべきかもしれません。

[有事立法(ゆうじ・りっぽう)]

「かわったこと」が有事の意味で、戦争だけでなく、大震災なんかも有事といえば有事。そんな有事のさいの特別なとりきめを法律化しておくこと。

昨年来の同時多発テロ以降、「なんかのとき」自衛隊がどう動けるか、ということを法律化しておこうという動きがさかんになり、現在も国会で審議中となっています。具体的にはなんかのとき国がどういう対応をとるかという「武力攻撃事態法案」と「安全保障会議設置法改正案」、自衛隊の行動を敏速にするためにつくられる「自衛隊法改正法案」の3案が「有事関連3法案」といわれています。

有事のさいのとりきめを法律化しておくことは、重要だと思います。大戦争になったらそれこそ法律も何もなく大変でしょうけど、「プチ有事」、たとえば敵がせめて来そうなんで家かして下さいって自衛隊が来て、何もなく返ってきたら間取りも何もまったくかわっちゃって何もしてくれない「いや~そういう法律ないもんですから」じゃこまりますよね。

しかし、今回の有事関連3法案には、そうした国民をどう保護していくかなどをとりきめるような「国民保護法案」が入っていません。これは有事関連法案ができてから、つくる、ということになっているからです。これは大きな問題といえるでしょう。

それに今、深刻な経済危機に悩む日本人に有事、とかいってもなかなかむずかしいことです。明日の仕事のことや、ストレスで精一杯なんですから。日本を狙うナチスみたいな存在があるわけでもなし、まずは日本人が防衛のことについてゆっくり考えられる経済環境をつくることが大事なんじゃないでしょうか。何にもしないで高級もらってる天下り役人のために命投げ出す国民なんていません。

 

次回は、「日米安全保障体制」についての基礎用語集をお送りする予定です。

国防・軍事の基礎用語集、(1)はこちらです。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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