(2002.09.13)
1ページ目 【軍部の独走がまねいた戦前、その反省は活かされているか?】
2ページ目 【日本の防衛に「核」は必要か?(1)】
3ページ目 【日本の防衛に「核」は必要か?(2)】
4ページ目 【自衛隊と「有事」】
●国防・軍事の基礎用語集、(1)はこちらです。
【軍部の独走がまねいた戦前、その反省は活かされているか?】
[文民統制(ぶんみん・とうせい)]
[文民統制(ぶんみん・とうせい)]
文民、つまり非軍人が軍隊を統制・指揮するという原則。軍隊の暴走を防ぎ、民主的な統制を行うねらいがあります。シビリアン-コントロールともいいます。こっちのほうがわかりやすいですよね。「市民によるコントロール」。
戦前の日本には、これがありませんでした。軍隊を指揮する「統帥(とうすい)権」は、立法権や行政権と同様に、天皇の権限だったからです。しかし実際には天皇が政治の矢面に立つことは少なく、軍部は内閣に指揮されることもなく、勝手に満州事変を起こしたりと暴走をはじめていったのでした。
▼戦前の政治システムと軍部
戦後、このようなことがないように、内閣が自衛隊を指揮するように、自衛隊法で定められています(最高指揮者は首相)。内閣の各大臣(首相含む)は憲法で「文民でなくてはならない」と定めれられていますから(66条2項)、法制上は文民統制が確立されているわけです。
▼現在の自衛隊の指揮関係
とはいえ、せっかくの政治家がわが国防のことに無知で、なんでも自衛隊や防衛庁幹部のいうがままだったら、この制度が機能しなくなる危険があるということはいうまでもありません。
次ページでは、ちょっと前に騒ぎにもなった、「日本の防衛と核」について、用語を中心に解説しておきましょう。