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県知事不信任決議とは?

脱ダム宣言など急進的な改革を進める田中康夫長野県知事が議会からの不信任決議で窮地に立たされていますが、そもそも県民の代表が県民の代表をクビにするこの制度って? 詳しく解説します。

執筆者:辻 雅之


(2002.07.07)

1ページ目 【強大な権力者「知事」に対する議会の最終兵器】
2ページ目 【県民の「代表」が「代表」をクビにする不思議な制度】
3ページ目 【どうなる長野県、田中康夫知事】

【強大な権力者「知事」に対する議会の最終兵器】
議会を解散しても再び「不信任」されれば即失職


「脱ダム宣言」など急進的な改革を進める田中康夫長野県知事。前々から県議会との対立が激しくなっていましたが、とうとう議会から知事不信任決議案が可決されてしまいました。

首長(知事・市町村長)は地方行政に関わる大きな権限を持っている、ということは以前にもこの欄(「地方の王様? 知事の権限と権力で解説しました。その強大な権限に対する、地方議会の対抗手段のうち最大のものが、この首長(知事)不信任決議権です。

具体的にいうと、地方議会は総議員のうち3分の2以上の議員が出席した上で、4分の3以上の同意があれば、不信任決議を行い、知事に「もう信用できない、辞めてもらうか、われわれを辞めさせるか、どっちかにしろ!」と要求することができるのです。

知事に対する不信任決議が議会で可決されると、知事は10日以内に議会を解散するかしないかの決断をしなくてはなりません

議会を解散した場合、議員は全員失職つまりクビになり、議会の選挙が行われます。ただし、この選挙の結果反知事派が多数を占めてしまい、選挙後最初の議会でまた不信任決議が可決された場合、知事は自動的に失職してしまいます。ちなみにこの場合は議員の過半数の同意があれば不信任決議は可決されてしまいます。

解散しない場合、決議から10日後知事は失職し、知事選が行われることになります。不信任され失職した知事であっても再び知事選にでることは可能です。また、失職知事が再当選した場合、議会は過半数の同意だけで再不信任決議を行うことはできなくなります。

 

田中知事が議会解散ではなく失職を選ぼうとしているのは、再当選することで議会の再不信任決議を防ぎ、かつ民意を見せつけ対議会関係を有利にするねらいがあるものと思われます。

次のページでさらに、知事不信任という制度についてくわしくみていきましょう。
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