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京都議定書から9年、地球温暖化問題の今…(2ページ目)

各国の温室効果ガス削減目標を定めた京都議定書が決議されてから、9年近くもの歳月が経ちました。ここで改めて、各国が削減目標までどの程度近づいたか確認しましょう。

執筆者:鳥羽 賢

各国はどれだけ温室効果ガスを削減できたの?

では肝心の温室効果ガスの削減状態はどうでしょうか?1990年から2004年までに、京都議定書参加各国がどれだけ温室効果ガスを減らしたかをまとめた表を載せてみました。
<主要国の温室効果ガス増減達成率(1)>
主要国の温室効果ガス増減達成率
1990年から2004年までの数字。先進国ではイギリスとドイツが健闘。

ざっと見て分かることは、排出量を減らしている国と増やしてしまっている国の差が大きいということです。多い国は20%以上増加していますし、反対に20%以上減らしている国もかなりあります。

全体としては3.3%の減少で、ある程度の努力の成果は現れていると言えます。しかし体制移行以外の国、つまり先進国に限ってみると、なんと11%も増加しています!これでは目標達成どころではありません。そして世界の中で排出量の割合が高いのはこれらの先進国であり、そこが減らさないことには、世界全体の温暖化防止にはつながりません。

特に世界全体の4分の1を占め、世界一排出量が多いアメリカ合衆国が、減らすどころか15%以上も増やしています。今後アメリカにいかに排出量を減らさせるかが、温暖化対策の重要なポイントとなってくるでしょう。

→そして京都議定書を語る上で重要な、排出権取引とは?
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