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次期国連事務総長レースの展望(2ページ目)

来年の時期国連事務総長は、現在7人が正式候補として争っている状態です。この中で誰がトップを走っているのでしょうか?

執筆者:鳥羽 賢

7人の立候補者のプロフィール(2)

●アシュラフ・ガーニ
出身国:アフガニスタン
生年月日:1949年(57歳)
現職:カブール大学総長
経歴:アフガニスタン財務大臣など
9月14日の予備投票:立候補前のため、なし

総評:カブール大学の総長であり、これまでアカデミズム・「象牙の塔」で主な人生を歩んできた人物。そのために、実際に国際機関や政府で仕事をした経験があまりない。国連では同時テロ後に顧問として、アフガニスタン政府では2002年から経済や安全保障担当顧問として仕事をしてきた。

これまでアカデミズム中心の人生を送ってきた男が、、国連事務総長という要職のプレッシャーに耐えられるかは未知数。

タイ国旗
タイはクーデターによる混迷が続いている
●スラキアット・サティアンタイ
出身国:タイ
生年月日:1958年6月7日(48歳)
現職:政治的には無職
経歴:タイ副首相、財務大臣、外務大臣
9月14日の予備投票:賛成9、反対3、棄権3

総評:学生としてはハーバードのロースクールを卒業。それからはしばらく教員として仕事をして、90年代に入ってようやくタイ政府の職に就くようになった。その後は外務大臣や副首相まで務めている。

しかし今回のタイクーデターで、全ての閣僚や議員は一旦解任となってしまった。よってサティアンタイ氏も政治家としては肩書きがない状態である。今後政界に復帰できるかは全く不明。その点がネックになるだろう。

インド国旗
タルール氏は現在の国連事務次長だ
●シャシ・タルール
出身国:インド
生年月日:1956年3月9日(50歳)
現職:国連事務次長・広報局長
経歴:国連事務総長首席補佐官、国連事務総長事務局広報官など
9月14日の予備投票:賛成10、反対3、棄権2

総評:1978年からずっと国連関連の職に就き、難民支援の仕事を主にしてきた。9月14日の予備投票でも潘氏に次いで多い10票の賛成を得ている。潘氏を追いかける対抗馬と言える。

文学の世界でも才能を発揮しており、文学作品の著書も多く、また文学賞も多く受賞している。年齢も候補者たちの中では若い方なので、体力的にも事務総長の激務を十分こなせるだろう。

→次ページで残り2人の候補者を見てみましょう。
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