拘束アラブ人がきっかけ
写真はイスラエル。イスラエルはパレスチナ勢力と長年争っている。 |
ヒズボラは拉致兵士の解放の条件として、イスラエルに拘束されているアラブ人1000人の即時釈放を提示しました。しかしながら、イスラエルはこの要求をのむ姿勢は全く見せず、ついに同じ12日に、ヒズボラ殲滅(せんめつ)のために軍事行動を開始したのです。
この戦闘は最初はイスラエル軍の空爆が中心でしたが、それだけではヒズボラを潰すことはできないと判断したのか、その後地上軍も投入して大規模な戦闘になっています。どの戦争でも言えることですが、最初イスラエルはヒズボラを簡単に叩き潰せると思っていました。しかし現実はそんなに甘くなく、決定的なダメージが与えられないまま、戦闘は泥沼化しています。
イスラエルに甘いアメリカ
さて、今回のイスラエルの攻撃に対する国際社会の反応ですが、もちろん攻撃を非難する声が圧倒的に多くなっています。そんな中、世界一の超大国であるアメリカが、イスラエルに対して甘い態度を続けています。昔からアメリカはイスラエル寄りであり、中東で戦争が起こると必ずイスラエルを支持してきました。今回も同じような姿勢でいるため、紛争終結を求める声にパワーがありません。またイギリスもアメリカと同じ姿勢を取っています。アメリカの考えでは、ヒズボラは中東地域で不要なテロや紛争を起こしているので、ある程度は叩き潰す必要があるのです。また、シリアやイランがヒズボラを支援しているので、それらの国に対する警戒感もあります。
ただ先進国でもフランスなどはイスラエルに批判的な姿勢でいるので、アメリカとの溝は深くなっています。またアメリカはいつもイスラエルの味方をするので、他の中東諸国ではかなり嫌われています。今回のような姿勢だと、さらに嫌われてしまうことになるでしょう。
→この紛争は今後いつまで続くのでしょうか?