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先進国で最悪、イスラエル、ボツアナと同じ格付け 日本国格下げ!日本政府の信用力(2ページ目)

アメリカの格付け会社が日本国を格下げしています。ムーディーズの格付けでは、先進国で最悪、イスラエル、ギリシア、ボツアナと同じ!これをどう考えたらよいか、解説します。

執筆者:石川 秀樹

財務省が必死なのはなぜ?

ムーディーズは、日本国債をA2と格下げし、ギリシア、イスラエル、ボツアナ(南アフリカの北隣の国)と同じランクとしました。「いくらなんでも、それはひどすぎる!」と思っている人も多いと思います。

これに対し、日本の財務省も、アメリカの格付け会社(ムーディーズとS&P)の日本国債への格付けは低すぎると反論しています。

では、なぜ、財務省が必死になって反論しているのかというと、日本国債の格付けが下がるとは、信用力がなくなることを意味し、今後、今までのような低い金利ではお金が借りられなくなるおそれがあるからです。そうなると、格下げ-->金利上昇-->利払いが多くなり、また景気悪化により税収も減少。さらに財政危機深刻化-->さらに格下げ・・・と、格下げと財政危機・不況の悪循環に陥るおそれがあるからです。

いずれにしても、このように、公の場で議論すること自体は情報公開となり、非常に良いことだと思います。

日本は先進国で最低の格付けでよいのか!!

財務省の反論に対し、ムーディーズは、「日本の一般政府(の財政赤字、公的債務残高)は、どの指標で見ても、戦後の先進諸国に例を見ない水準に近づくと予想されるため、「未踏の領域」に入りつつある。」とし、今まで例を見ない悪い財政状態なので、格付けはA2としたと再反論しています。

確かに、現在、日本の一般政府債務は約700兆円で、GDP(国内総生産)約500兆円比で140%であり、債務は増加傾向で、先進国で例を見ない財政危機の状態であることは事実です。

これに対し、ギリシア、イスラエルはGDP規模の政府債務であり、日本よりはかなり財政状況はましで、しかも、最近は、債務が減少傾向です。また、ボツワナはほとんど債務がありません。

このように、財政状況だけを見れば、日本はもっと格下げになってもおかしくありません。むしろ、日本経済の実力と安定性があるからこそ、かろうじて、A2でギリシア、イスラエル、ボツアナと同格になれているとの論理も十分成り立ちます。

こうなると、日本国債の格付けは、日本の経済力を重視するのか、日本政府の財政状態を重視するのかによって、かなり変わってきます。個人的には、「最高格付けAAAはいくらなんでもないだろう!」という気がします。

皆さんは、どうお考えでしょうか?あなたの一票をどうぞ!

【関連リンク】

格付けってナニ?(close up!)
財務省 外国格付け会社宛て意見書(要旨)
ムーディーズ・ジャパン プレスリリース 日本国債格下げ
スタンダード アンド プアーズ ソブリン格付け 日本(格付け根拠)


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