補正予算とは、当初決定した予算にあとから追加を加えたり(増額補正)、逆に予算を減らしたり(減額補正)、予算の目的や内容を変更したり(組み替え補正)してできる予算のことです。
予算がその計画通り実施されることはなかなかありません。予算が余ることもあれば、何かの災害で急に想定以上の予算が必要になることもあります。
そのようなときは、途中で「補正予算」を組むことがゆるされているわけです。
たとえば急に災害復興のため数千億円が必要となった。そんなときに、「当初の予想より余った予算」「当初見込みよりたくさんはいってきた税金」や「国債の発行により調達した資金」などを財源にして政府が緊急に予算を組み、国会の承認をもとめる。こんな感じで、補正予算というのは活用されるわけです。
もっとも最近は、「秋~冬」の補正予算、しかも国債を発行つまり借金をして予算(歳出)を増やすことがなかばあたりまえに組まれる傾向が強くなっています。
これには「不況」が大きく関わっていると言えるでしょう。予算が始まる4月は、予算効果で多少景気が持ち直すことがあっても、秋から冬にかけては、その効果もきれて景気が今イチになってくるのが最近の傾向。
これを持ち直すために、政府が補正予算を組んで、公共事業などを行い、景気を刺激しようというわけです。
また、もう一つ、「補正予算は国会審議を通りやすい」という点もあります。
3月末までというリミットがある本予算の国会審議と違い、補正予算はそのようなことがないため、野党を気にすることなく思いきった予算が組みやすいというわけです。
そのため最近では「野党の批判を浴びやすい公共事業は補正で」という政治家も多くいるようです。
ただ、このような補正予算は予算の追加になってしまいがち。このご時世、追加予算の財源に「余った予算」「税金の増加分」などがそうそう見込めるわけはありませんから。当然、「国債を発行して借金する」ことになります。
600兆円まで膨れ上がった日本の借金(地方自治体の分を含む)。これでもなお、大型の補正予算を急ごしらえで組んで借金を増やしてまで景気対策を行うべきかどうか、そろそろ大きな議論になってもいいのかも知れません。
最後に、次ページで今年から新たに創設された「経済財政諮問会議」について、説明しておきましょう。