◎この記事は2001年に書かれたものです。2007年に新しい記事「事務次官と日本の官僚制基礎知識2007」を書きましたので、こちらもごらんください。
【政治家と官僚が動かす、中央官庁のしくみ】
現代の日本では、国会議員ら政治家たちが大臣になって、じっさいにお役所、つまり財務省や外務省などの中央省庁で働いている官僚たちを監督、コントロールするしくみになっています。
大臣は正式には「国務大臣」といい、内閣総理大臣が任命します。大臣の下に副大臣もいて、国務大臣の申出にもとづいて内閣総理大臣が任命します。
さらに副大臣の下に大臣政務官がおかれています。大臣政務官もまた、大臣の申出にもとづいて内閣が任命します。
大臣・副大臣・大臣政務官までは「特別職」といい、大きな権限をもっている代わりに、内閣が交代すると自動的に交代することになります。
大臣政務官の下が事務次官で、ここからが公務員つまり官僚たちのポスト、専門的にいうと「一般職」になります。
事務次官は官僚がつく最高のポストで、大臣を助ける重要な役職です。事務次官の下はいくつかの「局」で構成されています。局のトップである局長もまた、重要なポストです。
また、局と同等の機関として官房(トップは官房長)があります。官房は企業でいうと総務部と人事部をまとめたようなもので、実際には局よりも力をもっています。
また、事務次官を補佐する役職が置かれることがあります。例をあげると外務省の外務審議官、財務省の財務官、農林水産省の農林水産審議官などです。こういう役職は専門用語で「総括整理職」といわれています。
これら一般職の官僚たちの人事は、内閣の交代とはまったく関係なく行われます。これは公務員の(政党からの)中立性を守るためといわれています。事務次官などを、内閣が一方的にクビにすることは、できません。
次のページでは事務次官について、もう少しくわしくみていきましょう。