【フランス/シラク大統領】
不思議なコアビタシオン状態に終止符を打てるか?
1995年大統領に就任したシラク大統領は保守中道系(やはり日本でいうと自民党に近いスタンス)。就任直後、強行した核実験は日本でも大きな話題となりました。
しかし現在、フランスの首相は左派系(社会党)のジョスパン氏。97年の就任以来、大統領は保守系、首相や内閣は左派系という状態が続いています。これを「コアビタシオン(日本語では保革共存)」といいます。
フランスでは大統領が外交や防衛を、首相が経済など内政を担当することになっています。もっとも首相が大統領と同じ勢力であれば、大統領の部下として扱えるわけですが、コアビタシオン状態では、外交・防衛を担当する大統領と、内政を担当する首相がまったく分離してしまうことになります。
これは、国民が直接選ぶ大統領に対し、首相はその時の議会で最も議席を持っている政党のリーダーが就任することが慣例になっているからです。
しかも、この状態はこれで3度目。しかも最初のコアビタシオンのとき(大統領はミッテラン)首相だったのはこのシラク大統領だったのです。
こんな状態ですが、さすがにもう3回目ですから、フランス人もだいぶ慣れていることでしょう。あるいは望んでそのようにしているのかもしれません。
ただ、やっぱりわれわれ日本人から見るとややこしい。小泉首相がシラク大統領にあれこれ提案したところで、それが「大統領の担当事項外」だったりすると意味ないかもしれないわけです。
さて、このシラク大統領とジョスパン首相のコアビタシオンはもって来年初めまででしょう。来年には大統領選挙があるからです。とうぜんこの2人が最有力候補。来年のフランスは保守系対左派系の激しいバトルがみられそうです。
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「聖域なき構造改革」の先輩、小泉首相の師匠となるか?
★次回はドイツ、ロシア、イギリスの首脳たちを紹介します。
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