家の建築費は2500万円台が多数
建設費の平均は、2502.6万円です。この数字には、土地の取得費用や税金、引っ越し費用などは含みませんが、新築とともに土地の取得のために借入れをした人も、しなかった人も含めた平均の建設費です。この数字は全国平均で、首都圏の平均になるとやや高くなり、2692.0万円、近畿圏の平均はさらに高くなり、2712.0万円となります。首都圏や近畿圏はもともとの建設費が高いことに加え、三階建てや二世帯住宅など、建設費が高い住宅が多いからだと考えられます。
平均建設費 | 2502.6万円 |
首都圏平均建設費 | 2692.0万円 |
近畿圏平均建設費 | 2712.0万円 |
土地のための借入れがない人の平均は、少し高めの2586.7万円。家だけのローンですむため、そのぶん、建設費にかけられる金額が高くなっています。首都圏では2823.0万円、近畿圏では2891.7万円と、同じような傾向の数字になっています。
毎月10万円近い返済を約30年
では、返済についてみてみましょう。
1カ月当たりの予定返済額の平均 | 8万4000円 |
1カ月当たりの返済額の平均は、8万4000円。この数字は、ボーナス時の返済も含め、1年間に返済する金額を12で割って1カ月当たりの金額を割り出したもので、土地取得のための借入れを含めた数字です。土地取得のためのローンがない人だけの平均は、7万6400円。土地取得によるローン負担の増加が小さいように見えますが、これは全国平均であることと、土地に対する借入れ全部がこの数字に含まれていない可能性があるからです。
ボーナス払いの利用率については、25.5%と、かなり低くなっています。ボーナスを利用する人は平成10年度では52.0%でしたが、平成12年度では47.8%、平成14年度では34.4%と、ここ数年ますます低くなっています。この傾向は、一戸建て新築だけに限らず、同じ公庫のマンション購入や建売住宅を購入した人を対象に行った調査結果でも同様に低くなっており、どちらも平成15年度では約30%の利用率となっています。
また、返済期間については、平均が29.0年。返済期間については、平成10年度が26.0年、平成12年度が28.0年、平成14年度が29.5年ですから、昨年度までは少しずつ長くなる傾向がありました。しかし、最近は、できるだけボーナス返済の割合を減らし、返済期間も30年程度にしようとする人が増えています。実際、マンション購入をした人の調査結果によると、返済期間の平均は、平成6年度には34.0年でしたが、その後どんどん減り、平成15年度では31.9年になっています。このように、一戸建て新築、マンション購入など、住宅の種類や取得方法に関係なく、返済負担をコントロールしようとする人が多くなっていると見られます。
この「利用者調査報告 マイホーム新築融資 平成15年度」に回答してくれた方は、2万1127件。これらの人の住まいがどのくらいの耐久性があるか、今後どのようなメンテナンスをしていくかは、この調査ではわかりません。しかし、多くの人が30年近いローンを返していくのですから、住宅の寿命も30年程度ではなく、50年、60年と長持ちする家を建ててほしいと思います。