夫より妻のほうが眺めを気にする?
子育て後の夫婦が心地よく暮らせる家とは?でも説明しましたが、眺めのよさを気にする傾向は、夫より妻のほうが強いようです。旭化成ホームズが50代以上の夫がいる夫婦(家族に18歳以下の子供のいない世帯)を対象に2006年に行った調査によると、妻が家の中で自分の居場所を決める要素として、重視することの第1位は、「外・眺め」です。この場合の「外・眺め」とは、その場所からの眺めのほか、景色や庭、緑、花や木が見えるかどうかということが含まれます。
妻のほうが家の中で過ごす時間が多いこととも関連あるでしょうが、調査によって妻のほうが眺めのよい場所を自分の居場所にする傾向があることがわかりました。実際に、「庭を訪れる小鳥や、自分の手がけ庭木や草花を眺めながら過ごせる場所が好き」といった回答があったそうです。
外が眺められるのは子供にも楽しいこと
ピクチャウインドウによって、その家が好きになったり、毎日の生活に楽しみが生まれるのは大人だけではありません。ピクチャウインドウで風景を楽しむのは、人間だけではないかもしれません |
ある家では、2階の廊下のところに設けたピクチャウインドウ前が4歳のお子さんの大のお気に入りの場所になったそうです。その場所に窓を配置したのは、外に向かって視線が遠くまでのびることで、開放感を得ることが目的だったのですが、その窓からは電車が見えました。お子さんは大好きな電車が家の中にいてみられるので、大喜び。自然光もたっぷり入るので、大きなピクチャウインドウをつけたのは正解だったとのことです。
サイズや形の種類が増えた窓
住宅の窓といえば、ほとんどの窓が引き違いだった時代から見ると、最近の住宅の窓は、サイズも形も種類が増え、外観の表情にも変化が生まれています。形については、防犯性の面からガラスを割っても人間の肩が入らないような縦長または横長の窓や、小さな正方形の窓などが増えているようです。また、気密・断熱性の点からガラスは複層ガラスになった窓が一般的になりました。さらに、外観デザインに対する関心が高まっていることから、住宅メーカーも、サッシを扱う設備メーカーも、窓のバリエーションを豊富に取りそろえています。従来はとても珍しかった丸窓や三角形の窓も見かけるようになり、選択肢も広がってきました。
これから家を建てるなら、単に風通しや明かりとりのためだけでなく、外を眺めるためのピクチャウインドウを考えてはいかがでしょうか。ピクチャウインドウはどこに設けるか、そして、何が見えるかが重要です。木々の緑や空など、眺めて楽しい風景が見えなければ、ピクチャウインドウにはなりません。ピクチャウインドウを設けて植栽や外観デザインにも気を配る人が多くなることで、「この街に長く住みたい」と思う人が増える… そんな思わぬ効果を期待したいものですね。