キッチン設計の必需品
家具金物カタログ
「アトムリビングテック」
オリジナルキッチンやオーダーメードキッチンを設計・デザインする時、手元においておく必需品、それが家具金物のカタログです。
丁度、アトムリビングテックから最新版のカタログが届いたのでパラパラと中を眺めてみると、新作金物がいろいろ増えているのに気づきます。
デッドスペースになりがちなコーナー部分の収納を活用するために円形や半月型をはじめとして、様々な回転収納がありますが、この方式では収納量が3割以上もアップします。この「スライドコーナーラック」は一段目を引き出して回転させると、奥にある二段目のラックが連動して取り出しやすい位置に横スライドします。吊り元に右勝手と左勝手とがありますから、品番指定に注意が必要で左のカタログ写真は左吊り元です。このパーツのカタログ価格は1セット101,000円(税別)。
キッチンのウオールキャビネットは身長に合わせて手の届く位置まで下げて配置することが大切ですが、目の高さにまで下げると開いた扉がオデコに当たって危険です。そんな問題を解決するのがこのスイングアップ扉方式です。
なかなかスイングアップさせるのに最適なヒンジがなかったのですが、今回発売されたのはガススプリングを使用したスムーズな動きが快適なヒンジです。このパーツのカタログ価格は1セット18,500円(税別)+連結バー1200mm/1,400円、1800mm/1,900円。
アトムリビングテックのサイトからパーツ図面のCADが入手できます。
「LAMP(スガツネ工業)」
LAMP印の家具金物で有名なスガツネ工業のカタログ。ページが多いので家具金物だけでも3分冊になっています。
岩本町にできたスガツネショールームの紹介記事もご覧ください。
ランプ印の数多い家具・建築金物の中でも「ラプコン」という独創的な機構を持つ「ソフトダウンステー」は、世界的にも高く評価されている製品です。
「blum(ブルム)」
オーストリアのキッチン金具メーカーとして著名なblum社は、スライド蝶番とスライドレールでトップシェアを誇ります。
「新しいゾーニングシステムによるレールボックス ブルム社ダイナミックスペース」や「システムキッチンの影の立役者?Blum 扉用ヒンジ ブルモーション新登場!」の記事もご覧ください。
日本の輸入代理店デニカ社のサイトもご覧ください。
「HAFELE(ハーフェレ)」
あらゆるキッチン金物が揃うのが、ドイツ・ハーフェレ社。私がまだメーカーでキッチン開発を担当していた昭和46年、日本に最初にスライド蝶番を紹介したのもこのハーフェレ社でした。当時は180度開きスライド蝶番が1セット2,500円もして、とても製品に使い切れなかった思い出があります。
この日本語版カタログもかっては800ページ近い分厚いもので、半日掛りで部品を選択したものでしたが、最新版は450ページ程度に部品数が減っています。それでもキッチン設計に欠かせない座右の一冊です。
ドイツ・ハーフェレ社のサイト、ハーフェレジャパンのサイトもご覧ください。
「HETTICH(ヘティヒ)」
ヘティヒ社もドイツのキッチン金具メーカーとして著名で、ドイツやイタリアのキッチン家具メーカーへのOEM供給では群を抜いています。日本語版カタログは500ページもある濃い中身の一冊です。ブルム社のブルモーションレールとマーケットを二分しているのが、ヘティヒの「クアドロレールシステム」です。
実は最初に取り上げたアトムの「スライドコーナーラック」も、その原型はヘティヒにあります。ヘティヒでは「マジックコーナー」という商品名で10年近く前に商品化しています。どういう経緯でアトムが類似商品を発売したのかは分かりませんが、日本の家具金物メーカーが欧米メーカーの追随から脱却して、独創性が高い金物デザインが一日も早く生まれることを期待したいと思います。
ドイツ・ヘティヒ社のサイト、ヘティヒジャパンのサイトもご覧ください。
ヘティヒ「マジックコーナー」奥の引出しが完全に移動した状態。
キッチン設計のデータを常に頭の中に仕舞い込んでおくことは至難の業ですから、このようなカタログは常に身の回りに置いておき、図面を描くたびにページをひもとくことはとても大切な作業です。
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