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日本のキッチンの原点を探る Vol.1

札幌郊外にある北海道開拓の村を訪問し、屯田兵時代から大正時代に至る時代の台所と食空間がどのようなものであったのかを探求する旅の報告です。

執筆者:黒田 秀雄

札幌郊外・北海道開拓の村
日本のキッチンの原点を探る-Vol.1

 

リフォームフェアin札幌でのキッチンリフォームセミナーの講演を終えた翌日、札幌郊外にある「北海道開拓の村」を訪問しました。
目的は屯田兵以来、北海道の開拓に日本各地から移住したかっての日本人達の暮らしぶりと台所や食事の場がどんな様子だったのかを知り、日本のキッチンの原点を探求しようとするものです。
上図が野外博物館「北海道開拓の村」のマップです。ここは約54ヘクタールという広大な土地に1983年開村し、市街地群、漁村群、農村群、山村群の4ゾーンに分かれ、合計52棟の建造物があります。
庁舎や銀行や道場なども含まれるため、今回は北海道で暮らした人々の住居を中心にご紹介します。
一口に住居といっても様々な目的によって建てられたものがあり、各地からの移住者がその出身地の特徴を残した住居を造ったことも興味深い点です。


JR札幌駅はすっかり超モダンな駅舎に建て変わり、その偉容に圧倒されます。

JR函館本線に乗り、札幌駅から30分ほどの郊外に森林公園駅があります。駅の周りは新興の住宅街が広がります。駅からタクシーで約10分程度で「北海道開拓の村」に到着します。

10月初旬の札幌はまだそれほど寒さを感じない陽気で、紅葉まではまだ二週間程度かかりそう。
「北海道開拓の村」の正面階段から見上げる。重い大判カメラの道具を一式かついでいるので、こういう階段を見るとがっくりする。幸い右手にはスロープがありそちらから旧札幌停車場の正面入り口に向かう。

開拓村の受付ゲートともなっているこの建築は、三代目に当る旧札幌停車場で明治41年に建設され、ルネッサンス様式の駅舎建築として親しまれたそうだ。昭和27年に老朽化で建替えられた四代目の近代的でモダーンな駅舎はステーションデパートのある民衆駅として活躍したが、現在の駅ビルは五代目として建替えられ2003年には駅ビルタワーが竣工した。

村内には夏の間、馬車鉄道がゆっくりと観光客を乗せて15分ほど走り、上のマップの右上終点まで運んでくれる。冬の間は馬ソリが走るそうだ。


旧近藤染舗

明治31年に創業した旭川で一番古い染物屋。街灯の電柱も往時を偲ばせてくれる。

通りに面して立派な店構えがあり、そこが商売の場となっている。囲炉裏のある畳敷きの部屋に続いて板の間の台所がある。

台所に続いて6帖ほどの三和土があり、竈や石臼などが見られる。

左が店舗、奥には火鉢の置かれた客間、手前に10帖ほどの囲炉裏が掘られた居間があり、ちゃぶ台も置かれていることから家族の団らん空間であったようだ。左には2階の居室に上がる階段がある。


次ページでは、漁村群の旧秋山家と市街地群の旧有島家をご紹介します。


(C)Nov. 2006 Copyright HIDEWO KURODA KITCHEN SYSTEM LABO.INC.

 

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