キッチン/ビルトイン機器・選び方

プロの使うキッチン機器は?

厨房設備機器展には最新鋭のプロ用キッチン機器が一堂に並びます。さすがプロと思わせる機器の中から目についた新製品をご案内します。

執筆者:黒田 秀雄

厨房設備機器展2007視察報告
プロの最新キッチンは?



東京ビッグサイトで3月13日から16日まで「国際ホテルレストランショー(HOTERES JAPAN)2007」、「フードケータリングショー2007」、「厨房設備機器展2007」の三つの見本市が同時開催中です。丁度幕張メッセで開かれている「国際食品・飲料展(FOODEX JAPAN 2007)では、新しい食材の数々を見ることができますが、東京ビッグサイトでは食材をどのように加工調理し最適サービスを提供するかをテーマにしたプロキッチンのハードウェアやソフトウェアの最新動向を見ることができます。今回の報告ではいくつかの目新しい商品をご紹介します。


東京ガス

東1ホールの定位置にステージを構えるのが「東京ガス」です。今年のキーワードは「最適厨房」。
今までのガスか電気かの論争に終止符をうち、ようやく共存共栄のスタンスを明確にしたことは、私がキッチンセミナーや講演会等で今まで言い続けてきた「お互いのいいところを生かしたキッチンの理想像を実現しよう」という主旨がようやく理解されるようになってきた好ましい現象だと思います。



最適厨房では「環境性」・「経済性」・「調理性」・「衛生性」の4つの切り口から業務用厨房の理想像を検討することが提案されている。

業務用厨房メーカー「タニコー」との共同開発のコンセプトモデルのガステーブルはユニークなデザインに仕上がっている。フラットトップは6mmもある極厚のステンレスで作られ、バーナー位置に丸穴があき、まわりにも無数の穴があけられている。この穴から落ちた煮こぼれや調理カスなどは下に設置されたガラス製の水パンの中に落ちる。



フラットトップを開いてみると、水パンが見えるが、ここで落ちた汚れが簡単に掃除できる。凹凸のないフラットトップは手入れがしやすく、また汚れも焼き付いてしまわずに水で受けるため清掃性が格段に向上する。未だコンセプトモデルの域を脱していないが、新しいガス調理器具のひとつとして改良を続けてほしいアイデアだ。



三洋からは、世界初!マイクロ波とIHで同時加熱する「enegreen ハイブリッドクッカー」が発表された。
電子レンジとIHクッカーとの融合によって、食品を内側と外側から同時に加熱することで食品全体を素早く温め、調理時間の短縮と美味しさの両立をねらっている。   



使用エネルギーを削減することで、京都議定書で宣言した「地球温暖化ガス排出量6%削減」に貢献するという地球環境に配慮した画期的な調理器具が登場したわけだ。
品番:KCN-G1
電源:単相200V 電子レンジ出力約900W、IH消費電力約2000W
マイクロ波とIHの融合加熱(同時運転) 約3,600W
外形寸法 W457×D530×H337mm
庫内寸法 W310×D325×H174mm 約17.5Lit.
製品重量 約21Kg




サンウェーブグループのSWキッチンテクノからは、生ゴミ処理システムの「業務用ガーベッジセパレーター」が登場。

生ゴミの投入シンクには、アメリカWestKing社のディスポーザーが組込まれている。ここで流してしまえば環境破壊につながる高濃度の汚泥を下水に流してしまうことになるため、最近の集合住宅や戸建て住宅で使われているのはこの先に浄化槽を設置し、浄化した上で放流する「生ゴミ処理システム」として設置が許可されている。

この製品の特徴は、左側のボックス内に組込まれたディスポーザーで粉砕した生ゴミをステンレスディスクの固液分離装置で圧縮し、汚水と分離してカスのようになった厨芥をビニル袋で受けている。この装置で1/2に厨芥を減容、減量させることができる。
従来ディスポーザーで粉砕したあとコンポスト化する装置と組み合わせたものがあるが、沢山の厨芥が出た時の処理能力に問題がありおすすめできなかったが、この装置で厨芥を減容、減量した上で排水は浄化槽で浄化する方式が完備すれば、新しい生ゴミ処理システムの一つとしての可能性が見えてくる。
展示会では古新聞を粉砕して減容したものが左のバットにたまっている。

これが固液分離のディスクを内蔵した要の部分。右横から投入された厨芥がディスクの隙間で粉砕され、下右側の排水と、下左から固形化された粉砕脱水厨芥が出てくる。


 (C)Mar. 2007 Copyright HIDEWO KURODA KITCHEN SYSTEM LABO.INC.
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