インテリアコーディネート/季節に合わせたコーディネート術

夏のインテリア歳時記(2ページ目)

季節に区切りがなくなり、なんとなく時が流れてしまう。そんなときは、もう一度“暦(こよみ)”をひもとき、インテリア歳時記として夏の数々の行事を再認識してみてはいかでしょうか。

菅野 民子

執筆者:菅野 民子

インテリアスタイル実例ガイド

“お中元(おちゅうげん)”

夏野菜の盛り合わせの室礼

夏野菜の盛り合わせの室礼

中元とは旧暦の7月15日のこと。正月15日の「上元」、10月15日の「下元」と合わせて、贖罪の日として、神さまにお供え物をし罪ほろぼしをする日でした。いつのまにか、盆礼と結びつき、日頃お世話になった人に贈り物をする日になりました。あなたらしい、心のこもったオリジナルな夏らしい品物を送りましょう。たとえば藍染めのクッションやコースター、京からかみの版で刷り込まれた和紙のランチョンマットなどいかがでしょう。


“大暑(たいしょ)”

7月24日頃、雷雨とともに梅雨が明けると真夏の酷暑がはじまります。蝉が鳴き、土用の入り。土用とは本来四季それぞれにあり、立春、立夏、立秋、立冬の前18日間をいいます。現在では立秋の前だけを指すようになりました。寝苦しい夜が続きます。うなぎを食べてスタミナをつけ、ゴザの上でのお昼寝などいかがですか。最上質のいぐさで編まれたゴザは、さらりとして肌に気持ちがいいものです。



“立秋(りっしゅう)”

竹の花かご

竹の花かご

8月7日頃、暦の上ではもう秋、まだ暑さの盛りといえ、ご挨拶状には、残暑見舞いになります。夕暮れにはひぐらしが鳴き、雲には秋の気配が漂うようになります。少し夜が長くなってきます。主照明を消して、和紙のランプスタンドなどで光の陰影を楽しみながら、グラスなどをかたむけてはいかがですか!

 


“処暑(しょしょ)”

8月23日頃、暑さも盛りが過ぎ、「暑さが止む」という意味です。東京でも朝夕には、涼風が吹きわたるようになります。子供たちの夏休みも終わりに近づきます。そろそろ、夏の道具たちの片づけに取りかかりましょう。すこし早めに早めに取りかかることが、インテリアを優雅に楽しむコツです。


このように、暦をたどりながら思うことは、日本人が生み出してきた行事には奥の深い意味があり、豊かなインテリアの表現にたどりつきます。戦後、たくさんの外国の文化やモノを取り入れ、両手いっぱいにモノがあふれ、物理的にも精神的にも病んでしまった気がします。この機会に歳時記を見直し、季節の移り変わりを取り入れた芳醇な暮らしかたを取り戻し、日本独自の暮らしの文化を世界に誇りたいものです。



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