暖簾(のれん))
寺院や神社の門に掛けられた几帳(きちょう)や垂幕(たれまく)が源流といわれ、商業の発達に伴い家紋・屋号を染め抜いた看板のような外暖簾が出現しました。夏の屋内の暖簾は麻、葛布(くずふ)など見るからに涼しげで、人のわずかな動きにも風を受けてそよぐ、日本人らしい感性の細やかさがでる涼の楽しみかたです。敷物
京都の旧家では、畳の客間に冬は羊毛の絨毯が敷かれ、蒸し暑い夏には籐を編んだり、網代に組んだ敷物に取って代わります。和紙を柿の渋や漆を使い何枚も貼り合わせた“油団(ゆとん)”などを常の敷物として使ったそうです。なめし革のような光沢とひんやりした感覚は涼を呼びます。今では作り手が少なく貴重なものです。冷暖房が発達した今では、涼を考えて室内の衣替えし、夏の佇まいを整えることはなくなりました。しかし、地球の温暖化や限られた資源をまもるためにも、夏の暑さを楽しみながら、先人の知恵や繊細な感性「すだれ」、「夏障子」、「のれん」、「籐の敷物」インテリアにとりいれてみたいものです。
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もう一つの夏特集です。歳時記と共に夏の数々の行事を再認識し、先人の知恵で夏のインテリアを楽しむ記事です。
夏の歳時記