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自分らしさのインテリア(Part5) ご自慢のトイレには障子が!

トイレはトイレでなくなる!一人で過ごす居室、お客様用ほっと一息の空間、書斎にもなってしまいます。そんなトイレをご紹介します。

菅野 民子

執筆者:菅野 民子

インテリアスタイル実例ガイド

よく耳にする、鬼門には便所を造ってはいけません! その昔、便所は不浄なものとされ、汚い、臭い、けがれていると嫌われていました。現代では下水道が完備され、衛生設備の技術は格段に進歩し、便器の前に立てばふたが自動的に開き、立ちあがれば自動的にふたが閉まるよう完璧に自動化されたものもあります。ここまでくればトイレはトイレでなくなる。一人で過ごす居室、お客様用ほっと一息の空間、書斎にもなってしまいます。トイレは汚い不浄な場所から快適な空間に昇格です。そんなトイレをご紹介します。


写真は田園調布にあるY邸のトイレです。海外のお客様が多いY邸、もちろんリビング、ダイニングはとても広く、和室は外国人に喜んでいただくために本格派になっています。その和室のほど近くに、このゲスト用レストルームは位置し、ジャパニーズを意識してデザインされています。1820×2730(約3帖)の広さにゆったりと高機能の便器と洗面台が設けられています。


床材は無垢のナラ材を廊下からの一体感を出すために使っています。この家のテーマカラー「ライトグリーン」を生かすために、カラーガラスのビトロカラー(旭硝子)を便器のバックの壁と天井に貼り付け、硝子の質感がもたらすライムグリーンの光沢と透明感がより奥行きの深い空間を創りだします。両脇の壁には、質感が対照的な青磁色の和紙壁紙(トミタ)を貼り、障子の和紙とのバランスを図っています。


“注意!”
<天井のガラスは鋲で留めてありますので剥落の心配はありません。>
<ビトロカラーはガラスの裏面に特殊な塗料を焼き付けてあり、透明感のあるカラーは店舗のディスプレーでよく使われていますが、住宅ではあまり使いません。>


開口部は雪見障子になっており、開けると和風庭園の灯籠と照明が見えるようになっています。海外のお客様を意識した仕掛けです。洗面台は、香炉にはソープを、タオル入れには籐のかごなどで東洋趣味を演出しています。あくまでも機能的な便器や洗面器、冷たい人造石のカウンター、ミラー、金属の水栓金具、これらに障子や和紙という異質なモノを組みあわせるために、意識的にカラーガラスを使用しています。


いかがですか、異質な材料のバランス微妙ですね!もちろん大きな花瓶に活けられたアートフラワーも雰囲気をだしていますね。きちんとデザインされたトイレ、ご不浄なんて失礼な!りっぱな居室と思いませんか。トイレを汚いと思うのは時代錯誤、浴室やトイレのインテリアに凝ってみませんか!このトイレは鬼門には位置してませんが、もしかしてこんなにステキなら、丑さんも寅さんも許してくれるかもしれませんね!小池先生・・・!(AllAboutの家相・風水のカリスマガイドです。)

■このトイレは第20回INAXデザインコンテストの入賞作品です。
 建築デザイン    江崎 溥
 インテリアデザイン 菅野民子
(C)February.2002 Copy & Photo by kanno


<関連サイト>
「鬼門」に興味のある方は、小池先生のここを見てね!
家相の“正体”(鬼門編)



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ぜひ、ご覧ください!

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