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花の建築家ダニエル・オストの造形空間

「花の魔術師」「花の建築家」の異名を持つダニエル・オストのフラワーアレンジメントの世界、B&Bの家具と共にをお楽しみください。

菅野 民子

執筆者:菅野 民子

インテリアスタイル実例ガイド

ダニエル・オストが飾る現代インテリアの世界 去る7月15日~19日、カーサミア東京 ショップ ビー・アンド・ビー・イタリアでベルギーの世界的なフラワーアーティスト、ダニエル・オスト氏の「ダニエル・オストが飾る現代インテリアの世界―B&B Italiaと共鳴する花の造形美」が開催されました。「花の魔術師」「花の建築家」の異名を持つ作品をお楽しみください。


まず目に飛び込んできたのが右の写真。深紅のアームチェアとセットされた魔か不思議な植物オブジェ。赤の大胆でコミカルなチェアにグリーンの繊細な線が楽しげにはじけています。うわァ素敵・・・が始まりました。




オスト氏は、フラワーアレンジメントを一つの枠を超えた空間として、B&B Italiaのショールームを舞台に、アート感覚あふれる美しいガラス器(ベルギー・アントワープを拠点に展開するアート・ブランド「ランヴェール」)を使い、ファニチャー空間と花とガラス器のコラボレーションを完璧に楽しんでいます。


彼が「花の建築家」と称される理由は、フラワーアレンジメントは自然を写し取り、花は自然の中にあるように活けるべきという従来の考えに対して、自然を模写することはあくまでも“見せかけ=虚構の世界”であり、完璧に再現することは不可能と言い切っています。彼は植物を素材として自然とは全く違う世界、作り手の魂を反映する現代的表現として、橋や塔の建物を構築するように花や草を扱い、究極の美を創り出しています。


写真は2メートル近くある蓮の花と葉・茎のオブジェ。大ぶりのガラス器に整然と並ぶ蓮の地下茎とまだ浅い蓮の葉、まだ咲ききらないうぶな花、今までにこの世に存在しなかった妖しく可憐な造形物、オストの「花の魔術」です。


この蓮の花(Lotus)に対するオストの想いは「彼女」と大切に呼び、特別に思い入れが強い植物と広報部の田渕慶子さんからお聞きしました。私たち日本人は仏教と蓮の花が結びつき、遠ざけてしまいがちです。しかし、ギリシャ神話ではこの実を食べると現世を忘れ夢ごこちになると言われている魅惑の花。清楚でゴージャス、なにか秘密めいて水辺に咲くこの花を女性の象徴として扱うオストの姿に、彼の鋭い感性に触れたように思いました。花を慈しみ愛おしむ心と植物を知り尽くさなければ、生きている植物の意志を動かせる魔法はかけられないと感動しました。



まっ白い空間に整然と置かれたグリーンからは、そこだけがやさしい風が
誘うような異空間になっていました。



センターテーブルに置かれた作品。花の周りには香しいフレバーティーが使われていました。



さりげなく床に散らばる葉っぱたち・・・!白いタイルの床とガラス器に置かれたグリーンが涼しげでした。


ダニエル・オストが創るインテリア空間は次回も続きます。SHOP B&B ITALIAのショールームの紹介と共にお送りします。


B&Bのホームページhttp://www.bebitalia.co.jp

ダニエル・オストのホームページhttp://www.danielost.jp/


※全ての内容について、一切の転載・改変を禁止。
(C)July.2002 Photo by kanno
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