インテリアコーディネート/カフェ・レストラン・ホテルに学ぶコーデ術

Vol.6究極の宿「星のや軽井沢」のインテリア(2ページ目)

話題の軽井沢星野温泉に別世界とも言える集落が出現。リーゾート感覚の温泉旅館「星野や軽井沢」に繰り広げられる和のテーストのインテリアをさぐります。

菅野 民子

執筆者:菅野 民子

インテリアスタイル実例ガイド


こだわりはくつろぎ空間は、クッションたっぷりの床座

ウェング材のフローリングが敷き詰められたくつろぎのエリアには、びっくりするほどのたくさんのクッションが並んでいます。テーブルを囲み三方向に、大きなざぶとんが敷かれ、その上には大小のクッションがおかれています。もちろんテーブルの下は、足がゆっくり伸ばせる掘りごたつになっています。

そして大きく開かれた窓からは、ベランダが延ばされその先には、見事な景色が繰り広げられ、軽井沢の自然を堪能することができます。


ゲストルームで唯一華やかなカラーはこのクッションだけ、濃淡のバイオレットを主に差し色として、黄色と黄緑のペールトーンでまとめられています。このぐらいたくさんのクッションに囲まれてみると、座り心地もよく、ちょっぴり豪華な気分になれのも不思議です。ソファーにかしこまって座るのとは違って、足を投げ出したり、ごろりと横になったり、妙にくつろげるのはやっぱり日本人かしら・・・!

このゲストルームの床座の提案、お布団と座布団とクッションの組み合わせは、日常の生活に生かせたら素敵かもしれません。


部屋を間仕切る和紙障子

寝室エリアとリビングエリアを間仕切るのはたった一枚の和紙。天井まで突き抜ける和紙の間仕切りは、空間を仁王立ちのように立ちはだかる存在感があります。楮(こうぞ)の繊維がそのまま漉き込まれている和紙は、和のテイストとしてはもちろんのこと、光と陰を巧みに演出する優れたスクリーンとして使われています。


この間仕切りに使われている和紙は、楮(こうぞ)の繊維がそのまま漉き込まれているので、野趣あふれる力強さが感じられます。もしこの和紙が普通の障子紙だったら、優しくふわっとした感じになってしまいます。ゲストルーム全体のインテリアティストは、和と言ってもナチュラル風ではなく、かなり迫力ある和になっていますので、普通の障子紙ではティストが少しずれてしまいます。たった一枚の紙にもデザイナーの感性が感じられるところです。


くつろぐエリアの床座は寝室の床より50センチほど高くなっています。電話とCDプレイヤーが置かれている家具は間仕切りとして、また内部は冷蔵庫や食器入れとして使われています。

実はここのゲストルームには、都会生活に引き戻すツールであるテレビは置かれていません。自然の中で味合うシンプルな生活は、非日常の別空間を経験することができます。


次ページは「お風呂だって、もちろん和風!」に続きます。
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