出産・保育園待機でやむなく「自宅」を拠点に
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実体験を交えて話される生々しい?内容に、参加した女性たちはあちこちで大きくうなずく光景が |
横浜みなとみらいの住宅展示場「横浜ホームコレクション」で毎月、女性を対象にした暮らしセンスアップ講座
「横浜サロネーゼ倶楽部」が開催されています。平日昼間、お花やテーブルコーディネート、ファッションやおもてなしなど、誰でも日々の暮らしに気軽に取り入れられる講座を定期開催。講師や参加者たちと交流できるティータイムも好評です。
さて最近、「資金計画から考えるサロネーゼ開業講座」が開催され、会場となった積水ハウスのモデルハウスは超満員の女性でにぎわいました。講師は、サロネーゼという言葉もまだ女性誌が発信していなかった時代から横浜の自宅でフラワースクールを運営してきた
「フルール・ジョリアール」主宰の廣川朋子さんです。
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国内外で幅広く活躍する廣川さんを支えたのは「自宅のリフォーム」だった |
国内でフラワーアレンジメントを習得後、本場ヨーロッパで本格的に学ぶためオランダへ留学しディプロマ取得。帰国後、ブライダルフラワーや派遣講師など様々なフラワーアレンジメントの経験を経て、現在はプリザーブドフラワー協会「ビアンフランセ」横浜代表やフランス国家資格DAFA取得者として、プリザーブドフラワーの普及とアーティストの育成に注力するほか、フランス・パリへの定期的な海外研修も企画主催しています。
さてそんな廣川さんが自宅で教えるサロネーゼになった契機は、お子さんの出産でした。「それまでは華やかなブライダルやスクール講師など外でのお仕事が多かったのですが、子供が生まれると外で一日中仕事をするわけにはいきません。私が住んでいるエリアは保育園の待機児童が多い場所で案の定入所できず、やむなく幼稚園に行かせることにし、子供が幼稚園に行っている間だけ、自宅で教えようと思ったのです」(廣川さん)。
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出産後もパリ本場での研修企画を開催。そのパワーには脱帽! |
「正直、子供が生まれたことで『お花』を続けるか、やめるか、非常に悩みました。しかしお花の世界は流行や新しい勉強がどんどん出てきますから、いったんやめてしまうと戻るのは難しい。自宅で細々とでも続けていきながら、子供に手のかかるこの数年を乗り切っていこうと覚悟を決めたんです」
「家族に都合のよい働き方は、独立しかなかった」
そこで選んだのは独立という道。「自分に都合のよい時間だけ、というスタイルを通していくには、外の仕事でなく、この道しかありませんでした。でも、当時はお花を独立して教える人は自宅とは別にワンルームマンションを借りるケースが多く、『自宅で教えている』と言うと『ピアノ?習字?公文式などの塾?』と、なかなか理解されませんでしたね(笑)」
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子供を育てながら大好きな花の仕事を続けるには、自宅を舞台にするしかなかった |
出産・子育ては、会社員にせよ、サロネーゼにせよ、あらゆる形態で働く多くの女性に立ちはだかる壁。とくに産休・育休制度もない「サロネーゼ」にとっては重大な問題で、多くの女性がそれまで学んできた知識やキャリアを中断してあきらめてしまう女性も少なくありませんが、廣川さんは「教える分野にもよりますが、細々とでもつづけていたほうが必要な情報が入ってきますし、子育ての手が離れて拡大していくにも、それまでの素地ができているので家族の理解も得やすい」とアドバイスします。
こうして苦労しながら徐々に歩みだした廣川さんを次に待っていたのは
「家」の問題でした。