住宅設備・建材の選び方/住宅設備の基礎知識関連情報

住宅用火災警報器の種類と特徴&選び方のポイント

全ての住宅において「住宅用火災警報器」の設置は義務化されています。ここでは、「住宅用火災警報器」の種類と特徴、選び方のポイントについてまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

設置の義務がある住宅用火災警報器

住宅火災による犠牲者を減らすため、平成23年6月1日から既存住宅を含めた全ての住宅を対象として「住宅用火災警報器」の設置が義務付けられました。

「住宅用火災警報器」は、火災によって発生する煙を感知、音や音声の警報を発して火災の発生を知らせてくれる機器のこと。商品としての「住宅用火災警報器」は、メーカーからもさまざまなタイプが発売されています。

設置するのは、寝室と階段。廊下に必要な場合も

[SHK285271undefinedけむり当番2種埋込型(端子式・連動子器・あかり付)(警報音・音声警報機能付)] パナソニック エコソリューションズundefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

[SHK285271 けむり当番2種埋込型(端子式・連動子器・あかり付)(警報音・音声警報機能付)]  パナソニック エコソリューションズ

「住宅用火災警報器」の設置基準の詳細は、市町村条例によって定められていますが、基本的には「寝室」と「階段(寝室がある階の階段上部)」。ここでいう「寝室」は、普段の就寝に使われる部屋のことで、子供室や老人室なども、就寝に使われていれば「寝室」となります。

たとえば、1階・2階建ての場合は、「寝室」と「階段」に設置します。この場合の「階段」は、「寝室」のある階の階段最上部が設置箇所です。1階など容易に避難できる階は除きます。

3階建て以上の場合も、「寝室」と「階段」に設置します。この場合の「階段」は、「寝室」がある階(1階など避難階を除く)の階段最上部に設置します。また、「寝室」がある階から、2つ下の階の階段(屋外に設置された階段を除く)にも設置します。(当該階段の上部の回に警報器が設置されている場合を除く)

ただし、「台所」への設置も推奨されており、各市町村条例によっては、台所にも設置が義務化されている場合があります。

ここで注意したいのは、現在台所などに自主設置されている「ガス漏れ警報器」と混同しないこと。「ガス漏れ警報器」はガス漏れや一酸化炭素を検知するもの。今回設置が義務化されている「住宅用火災警報器」は煙や熱を検知するものです。

天井もしくは壁に設置。取付位置に注意

[SHK32427YKけむり当番薄型2種(電池式・ワイヤレス連動子器)(警報音・音声警報機能付)(和室色)] パナソニック エコソリューションズundefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

[SHK32427YKけむり当番薄型2種(電池式・ワイヤレス連動子器)(警報音・音声警報機能付)(和室色)]  パナソニック エコソリューションズ

住宅用火災警報器は取り付ける位置も決められています。天井に設置する場合は、警報器の中心を壁から60cm以上離すこと、梁などがある場合は、梁から60cm以上離さなければなりません。エアコンの吹き出し口付近は、1.5m以上離して設置します。

また、壁に設置する場合は、警報器の中心を天井から15cm以上50cm以内の位置に取り付けるようにしましょう。

住宅用火災警報器の種類

住宅用火災警報器は、機能や性能によってさまざまに分類されます。

■感知するものによる分類  煙式・熱式
感知するものの違いによって、「煙」を感知する煙式(光電式)と「熱」を感知する熱式(定温式)に分けられますが、消防法令で寝室や階段室に設置が義務付けられているのは煙式です。

熱を感知するタイプは、調理の際の煙や水蒸気を火災として感知しにくい方式となっているので台所に適しているものです(台所に煙を感知するタイプを義務付けている市町村もあるので所管の消防署に確認を)。

■電源による分類  100V式・電池式
undefined [SHK38155undefinedねつ当番薄型定温式(電池式・移報接点なし)(警報音・音声警報機能付)] パナソニック エコソリューションズundefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

 [SHK38155 ねつ当番薄型定温式(電池式・移報接点なし)(警報音・音声警報機能付)]  パナソニック エコソリューションズ

電源の違いによって、家庭用電源AC100V式(電源直結式)と電池式に分類されます。

AC100V式の場合、家の電源に直結させるので、電池交換が不要というメリットがあります。新築住宅の場合に向いているでしょう。配線工事が不要の電池式は、既存の住宅に簡単に設置することができます。

■設定方法による分類  単独型・連動型
設定方法では、単独型と連動型に分けられます。

単独型は火災を感知した警報器のみが鳴動し、連動型は1箇所で感知した火災をすべての警報器が鳴動し、家中に火災を知らせます。耳の遠い方の部屋で火災が起こった場合、連動型であれば他の部屋にいる家族が気付きやすい、というメリットがあるでしょう。

AC100V式(電源直結式)の単独型の場合、家中すべての警報器にAC100V電源が必要。連動型の場合はAC100V電源は親器のみ、親器・子器間の連動配線は必要です。電池式は単独型はもちろん、ワイヤレスの連動型もあります。

■商品形状の分類  埋め込みタイプ・露出タイプ
[SHK28617undefinedけむり当番2種壁埋込型(AC100V端子式・連動親器)(警報音・音声警報機能付)] パナソニック エコソリューションズundefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

[SHK28617 けむり当番2種壁埋込型(AC100V端子式・連動親器)(警報音・音声警報機能付)]  パナソニック エコソリューションズ

商品形状としては、埋め込みタイプと露出タイプ、天井付けだけでなく壁に設置できるタイプもあります。

最近の商品傾向は、薄型のすっきりとしたデザイン。和室向けのベージュ色の商品などもあり、インテリア的に馴染むような工夫がみられます。

また、夜間の避難を助ける照明のついたものやドアホンと連動し音声警報がなされるものも。警報が聞き取りやすいように工夫されたものもみられ、光と音で知らせるものなどもあります。家族構成や間取り、予算に合わせて選ぶようにしましょう。

新築の場合は設計時に確認を

詳細なプランニングや設置については、新築住宅であれば、住宅メーカーや工務店、建築家に相談しましょう。既存住宅の場合、AC100V式を設置したいのであれば電気工事が必要ですので、住宅メーカーやご近所の工務店、リフォームメーカーなどで見積もりを。電池式の商品であれば、家電店やDIYショップなどで購入し、ご自身で取り付けることができます。

おおよそ10年ごとに取り換えを。定期的に作動のチェックを

「住宅用火災警報器」は、ほこりが入るなどすると誤作動を起こす場合もあるので、定期的に掃除を。また、一年に一度程度、正常に作動するかどうか、点検も忘れないようにすることが大切です。合わせて、電池が切れにならないように、点検ボタンなどで確認を。また、交換期限になったら新しい警報器に取り換えることも必要です。電子部品の寿命や電池切れなどで、感知しなくなることがあるため、おおよそ設置から10年以上経過している場合は、交換するほうがいいでしょう。

住宅用火災警報器は家族と住まいを守る大切な機器。商品の性能、機能を充分理解したうえで、必ず設置をするようにしましょう。

※注意
設置の義務化に便乗した悪質な訪問販売、電話勧誘なども発生しています。消防署の職員が一般のお宅を訪問して防災用品等を販売することはありませんので注意してください。


【関連記事】

匿名で優良会社にリフォーム相談!

ホームプロでリフォーム会社を探す

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます