床に直接座るスタイルにぴったりの堀ごたつ
くつろぎの空間であるリビングには、ソファやチェアを取り入れるプランが多くみられますが、肌触りのよい床材を用いたり、畳スペースを設けるなどして、床に直接座る、床座のスタイルも魅力のあるもの。低めのテーブルを用いたり、座布団やクッションなどを組み合わせることで、自由な空間づくりも可能です。床に直接座る暮らしのメリットは、空間を広く感じることができること、さまざまな用途に使用しやすいということなど。ただ、和室のある住まいも少なくなり、床に長く座ることが厳しかったり、インテリア空間としてコーディネートが難しく感じる、というケースもあるようです。
二人の会話を楽しむのにちょうどいい小さめのサイズも。 [堀こたつ:座卓シリーズ リーフスクウェア 3×3尺〈チェリー〉] DAIKEN
木目を生かしたデザイン、モダンなタイプも
掘ごたつと言うと、和室のイメージがありますが、建材メーカー商品には、和のデザインはもとより、フローリングなどを用いた洋室にも馴染むタイプが多くみられます。彫を施すなどした重厚なものやシンプルですっきりしたデザインのもの、けやきやウォルナット、チェリーなど天然の木目が美しい突板タイプ、モダンな塗装を施した、さまざまなカラーのタイプも。メーカーや商品によっては、床材や室内建具などと色味を合わせることができるものもみられます。サイズは、約90センチ角のものから約90×180センチ程度の大きなサイズまで、和室用では関東間や関西間に合わせたタイプも揃っているので、さまざまな空間に取り入れることが可能でしょう。また、2階にも設置可能な炉箱の底が浅いタイプもみられます。
直線を強調した天板はどんなインテリアにも合わせやすい。電源や運転モード切り替えなどの操作はワイヤレスリモコンで。ワイヤレスなのでコードにつまずくこともない。[掘座卓 スタンダードシリーズ〈ダーク色〉6面ヒータータイプ 洋室用 断熱材なしセット3尺×6尺サイズ 掘座卓 ワイヤレスリモコン] パナソニック エコソリューションズ
暖め方の種類と機能の特徴
メーカーの堀ごたつ商品には、暖め方にもいくつかの種類があります。一般的な電気こたつのように、天板裏側にヒーターを設けたもの、また、足元(炉箱底部分)にヒーターを設置するもの、天板裏側と足元の両方にあるもの、炉箱の側面などからも暖めることができるタイプもみられます。機能面では、温度の制御機能を持たせ省エネルギーに配慮したもの、寒冷地など向けに炉箱部分の気密性や断熱性を高めたものなども。操作の簡単なリモコンタイプ、ワイヤレスリモコンにすることで、電源コードを引っかけることを防いだものなどもあるので、間取りや家族構成などに合わせて選ぶことができるでしょう。
掘りごたつを取り入れる際の注意点
掘りごたつは、間取りや暮らし方などに適していれば、居心地のいいスタイルですが、充分に検討しないと、使い勝手が悪かったり、宝の持ち腐れとなる場合もあるので、将来の暮らしの変化なども予測してプランニングすることが大切です。直線的ですっきりとしたデザインなので、モダンなインテリアにも馴染む。(右上)冬場は布団を用いてあたたかく。(右下)炉箱内に格納可能なので、夏場もすっきり。 [堀こたつ:座卓シリーズ リーフスクウェア 3×6尺〈メープル〉] DAIKEN
検討する際には、冬場のこたつとしてだけでなく、夏場はどのように使用するのかも明確にしておくこと。座卓として使用するのか、床をふさいでしまいたいのかによって、プランニングや商品選びも変わってくるでしょう。座卓の天板と脚などを分解可能で、炉箱の中に収納できるタイプもあるので、使い方や設置する場所に合わせて選ぶことが重要です。
■掃除方法を確認する
底面の掃除のしやすさへの工夫などもチェックしたいポイント。炉箱の底面には、取り外し可能なカバー、丸洗いできるカバーなどを設けたタイプもありますが、掃除機等でお手入れするなど、清潔さを保つための日頃のお手入れは必要でしょう。掃除やメンテナンスのしやすさ、修理やメンテナンスなどについても事前に確認しておくことが大切です。
床下の底面カバーは取り外し可能なので、掃除がしやすく炉箱内を清潔に保つことができる。[堀こたつ:座卓シリーズ] DAIKEN
掘ごたつのスタイルを取り入れたい場合は、間取りの検討時に、早めに設計担当者に相談すること。どこに設置するか(1階か2階かなど)で躯体に関わることもありますし、生活動線やテレビなどとの位置関係にも注意が必要です。
設置したら移動することはできないので、日々の暮らしをイメージして、充分に検討すること。家族構成やライフスタイルの変化はもとより、冬場にこたつとする場合のふとんや座布団などを置くスペースを確保してレイアウトすることもポイントです。
■部屋の暖房計画、内装建材などと合わせて検討する
こたつとして用いる場合、部屋全体の暖房計画と合わせて検討することも忘れずに。場合によっては、床暖房と組み合わせるというプランも考えられるでしょう。食事や勉強するスペースとしても使用するのであれば、照明プランにも配慮が必要です。また、商品を選ぶ際には、メーカーのショールームで確認することが基本。組み立てや操作方法などもチェックを。床材や室内建具などとのコーディネートなどにも配慮して、選ぶようにしましょう。
広さや形を自由にプランニングできる畳コーナー収納と堀座卓を組み合わせて小上がりのようなスペースを設けても。[畳が丘 組み合わせプラン] パナソニック エコソリューションズ
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