下地から仕上げまで同じ職人でない
見積り書は内訳明細書で工事ごとに見積りを書く欄が分かれています。したがって、せっこうボードの下地は大工さん、その上のクロスは内装屋さん、仮にケイソウ土であれば左官屋さんの仕事となります。下地から仕上げまで同じ業者が行うのであればわかりやすいのですが、すべて項目ごとに分かれています。そこで今回は工事項目ごとの見積りチェックポイントを学んでいきましょう。各工事の内容と見積りの考え方を知ることが施工への理解を深め、トラブルやミスを防ぐことにつながるのです。主な各種工事と見積りのチェックポイント
◎仮設工事・・・完成したら残らない工事
仮設工事は安全に施工するための足場やシート、片付け、仮設トイレなど、完成すると何も残らない工事です。必要以上に安全性を高めると費用は高くなり、いい加減な工事にするならば費用は安くなります。施主の立場からは安く抑えたい工事項目です。
◎基礎工事・・・極めて重要な工事
寿命の長い住まいをつくるには、何と言っても基礎が一番大切です。ここではコストよりも耐震性のある強固な基礎として考えていられるかをチェックすることです。
◎木工事・・・材料と手間代が分かれて見積りされている
他の工事はほとんどが「材工共」という言葉で材料と手間代が一緒になって見積りされています。しかし木工事だけは材料費と大工手間代が分かれて計上されています。それだけ工事に関わる期間も長く、大工の匠の技に対する報酬なのです。
◎内装・塗装工事・・・は安くとも、施工する面積が多い
内装工事は壁・天井のクロス貼り、床のクッションフロア敷きなどの工事です。クロスなどはm2単価でみると安いのですが、壁面積は多いので、施工する面積の多さに注意して内装材を選びましょう。近年は内装にケイソウ土が多く使われますが、ケイソウ土は左官工事になります。
【住宅コストシリーズ】
▼第1回 見積りのカラクリ