2008年の後半あたりから国内景気の急速な後退と、それに伴う雇用環境の悪化がしばらく続き、その後はなかなか回復の足どりも重いようですが、みなさまはどのような影響を受けているのでしょうか。
住宅ローンは、確実に返済できるはずだったのに…いつ何が起きるのか分からない時代です! |
現在は少し改善しているようですが、「雇用の最悪期はむしろこれから」「失業率はまだ上がり、大失業時代へ突入する」などという予測も依然として払拭できず、現時点では安泰の人も、決して他人事で済まされないでしょう。失業することはなくても、不況によるボーナスカットなど、収入減に直面する人は多いはずです。
その一方で、マイホームの競売も以前より多くなり、ときどき新聞紙面などでも報道されています。競売物件を買い求める投資家などにとっては絶好の機会かもしれませんが、家を失う者にとって競売は最悪の結末。住宅ローンを貸している金融機関にとっても、できれば避けたい「最後の手段」です。
それでは、競売を避けるためにはどうすればよいのか、失業や賃金カットなど収入減に直面したときにはどう対処すべきなのか、これから数回に分けて考えていきたいと思います。
まずは家計の見直しから
まわりから言われるまでもなく、住宅ローンの返済が苦しくなれば自発的に節約に励んだり、固定経費の見直しを図ったりする人が大半でしょう。「○○節約術」といった本も数多く目にします。私はなかなか実践できませんが、4人家族で1か月の食費を数万円浮かせるようなこともできるのだとか。電気、ガス、水道などのこまめな節約も、それが重なれば大きな金額になるようです。預貯金の取り崩しでしのげるうちに収入が回復すればまだ良いとして、収入減が長期化するなら、さまざまな面で支出を抑えることを検討しなければなりません。
酒やタバコなどの嗜好品を控えめにすることや、競馬・競輪・競艇・パチンコ・パチスロなどが好きな人は、これらと縁を切ることも考えるべきです。収入が回復するまでは、家族旅行やレジャー、家族そろっての外食なども回数を減らさなければなりません。
都市部の市街地で鉄道駅に近いエリアにお住まいなら、車を手放すことも検討するべきでしょう。とくにマンション住まいで、敷地外の民間駐車場を借りているような人、あるいは敷地内でも都心で賃料負担が高いような人にとって、その負担がなくなるだけでも大きな効果が生まれます。
生命保険をはじめとして、保険全般についてよく見直すことも必要です。過大な保障金額になっていないか、住宅ローンとセットになっている保険と重複するものはないのか、不要なオプションプランが付帯していないか、その保険が本当に必要なものなのかなど、なかなか分かりづらい部分も多い保険契約ですが、一つひとつ改めてチェックしてみましょう。
しかし、「節約、節約、何でも節約!」と意識するあまりにストレスを溜め込んだり、夫婦仲や家族の関係が悪くなったりしては困りもの。同僚や友人、同窓生などとの付き合いを断ち切ることもできませんし、子どもにはあまり嫌な思いをさせたくないところです。
「住宅ローンが払えない」という事態に直面しているときは耐えて我慢することも必要ですが、予防的な観点からの節約であれば、無理なくできるところから少しずつ実践していくことを考えるべきでしょう。
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